四国地方で初めてCAREBOOKを導入された徳島大学病院様。転院調整業務が効率化されたことで、カンファレンスやインフォームドコンセントに以前よりも参加できるようになり、CAREBOOKが患者支援の質を高める一助にもなっています。
電話中心とした転院調整からの脱却を目指して導入
CAREBOOKを導入された背景を教えてください
後藤様
私は2023年の4月に師長として患者支援センターへ異動してきたのですが、転院調整のための電話が多く、折り返しやすれ違いも常に発生していることを初めて知りました。異動してしばらくした頃にCAREBOOKの説明を聞く機会があり、電話を中心に行なっている転院調整をクラウドに置き換えることができると知り、使ってみたいと思ったのがきっかけです。
CAREBOOKの説明を聞いたとき、どのような感想をお持ちになりましたか?
岡本様
病院によっては連携室にスタッフが一人しかおらず、ほぼ一日中電話が繋がらないという状態、そして夕方5時ぐらいに電話が繋がって、そこから調整が始まるといったケースもありました。CAREBOOKであればチャットでお互いのタイミングのよい時に連絡や確認ができるので、スムーズな業務に繋がっていくのではないかと魅力に感じました。
田辺様
私たちも転院調整だけではなく、外来患者の同席・相談対応や院内会議への参加なども行っているため常に自席にはいられません。電話も入れ違いになってしまうことが多く、調整にとても時間がかかっていました。CAREBOOKのお話を伺ったときはまったく抵抗感はなく、ぜひ使いたいと思いました。
電話対応時間が月4.5時間削減。時間と心にゆとりが生まれる
CAREBOOK導入の効果はどのように感じていらっしゃいますか?
後藤様
電話対応にかける時間は確実に減っていて、CAREBOOK導入前後で電話対応時間を計測したところ、スタッフ一人あたり月約4.5時間も削減ができていました。今では常に鳴っていた電話も、ほとんど鳴らなくなっていますね。
また、当院では患者支援センターではソーシャルワーカーと入退院支援看護師がペアを組んで各病棟を担当し、病棟のカンファレンスや退院前の合同カンファレンスなどに一緒に参加しています。ソーシャルワーカーは社会制度などの説明を行い、医療的なアセスメント等を看護師が行っているのですが、このような制度を整えても以前は時間の余裕がなく毎回ペアで入ることはできませんでした。それが、今では自然にペアで参加できるようになっています。電話対応の時間が削減されたことで、時間も心にも余裕が生まれていると感じます。
岡本様
チャットに文字としてやり取りの履歴が残ることで、院内での情報共有もしやすくなりました。進捗状況の共有や申し送りの時間も短縮されているので、看護師と意見交換をする時間が増えていますし、結果としてそれが質の高い支援にも繋がっていると感じています。
田辺様
電話対応の時間を削減できているので、患者との面談にもっと時間を充てることができています。患者や家族の希望をゆとりをもって伺うことで、その内容をCAREBOOKにも記載でき、転院先に伝える内容も充実するようになっていると思います。
CAREBOOKを使って転院調整をしている連携病院からは、どのような反応がありましたか?
岡本様
以前は電話で聞いたことを自分の手書きメモに残していたのですが、チャットはやり取りがテキストで残るので、例えば退院日などの日付も言い間違い・聞き間違いがなくなったと連携病院の方々とも話しています。また、大学病院は忙しそうで遠慮して電話をかけにくいと言われることもあるのですが、CAREBOOKを導入してからはチャットで気軽に質問しやすくなったとも言われていますね。
長時間のICにも参加できるようになり、患者やご家族へより寄り添えるように
調整業務が効率化されたことで、ほかに変化したことがあれば教えてください。
後藤様
外来で化学療法に通っていただいている患者に対して、積極的な治療ができなくなった際にBSC(ベストサポーティブケア)の説明を行うIC(インフォームドコンセント)に連携室のスタッフも一緒に参加できるようになりました。
ICは、患者さんの今後の生き方を決めていく上で非常に重要なシーンです。ICにソーシャルワーカーや入退院支援看護師が参加することで患者がどう思っているのかを理解し、より良い支援に繋げていくことができます。また、ICの内容をCAREBOOKに記載することで患者さんの声を転院先の病院に伝えることができ、より中身の濃い連携ができています。また、ソーシャルワーカーが入ることにより社会制度の説明なども一緒にできるので、よりご家族へも寄り添えるようになっていると感じています。
ICは長時間に渡ることが多いため、これまでは参加する時間をなかなか捻出できませんでした。医師からは「この患者さんがBSCになったので調整お願いします」という依頼だけを受けている状況でしたが、今では「BSCの話をするので、一緒にICに入ってもらえますか」と医師のほうから声をかけてもらえるようになってきています。
最後に、CAREBOOKの導入を考えている病院の方へメッセージをお願いいたします。
田辺様
最初にCAREBOOKのお話を伺った際に、現場スタッフ向けにデモンストレーションの場を設けてくださったので実際の活用イメージが沸きました。もし導入を悩まれている病院さんがいらっしゃいましたら、転院調整を行うスタッフが試しに操作する時間を作ってもらうのが良いかと思います。
後藤様
最初はツールを使って転院調整を行うことに抵抗感を感じる方もいらっしゃるかと思うのですが、誰でもすぐに使いこなせるので、思っているほど導入ハードルは高くありません。また、当院のように電話の対応時間が削減できれば調整業務以外に時間を費やせるようになるので、支援の質向上へ繋がっていくはずです。