CAREBOOK CASE STUDY

CAREBOOKの導入事例

地方医療圏だからこそ重視したのは連携病院との関係性

日本赤十字社 和歌山医療センター

医療社会事業部 医療連携課長兼医療社会事業課

課長 大西規之 様
  • 400床以上

日本赤十字社 和歌山医療センター様のある和歌山市は、人口約35万人・医療圏内の病院数は43病院の中核市です。今回は医療連携課長兼医療社会事業課長の大西様に、地方都市におけるCAREBOOK(ケアブック)導入のメリットや地方だからこそ重要視している連携病院との連携について、お話を伺いました。

普段から築いていた良好な関係性でスムーズな導入に

まずはじめに、CAREBOOKを知ったきっかけと導入しようと思った経緯をお伺いできますでしょうか。

近畿圏の赤十字病院は、連携担当者が年に一度顔を合わせて会議を行っており、そこで様々な情報交換をしています。その会議で、ほかの赤十字病院がCAREBOOKの導入を始めたことを話していて、とても良いシステムだと評判を耳にしていました。どこの病院も状況は同じだと思いますが、私たちも転院調整をする際は電話・FAXでやり取りを行っていました。ですが、デジタルが発達しているこの時代に、旧態依然のやり方を続けていることに懸念も感じていました。そのような中、大阪赤十字病院の津田副部長からもCAREBOOKを紹介していただき、詳しいお話を伺ってみることにしました。

実際にCAREBOOKのお話を聞いてみたところ、事前に聞いていた通りこれはいいなと。すぐに院長に掛け合って、病院としてもほかの赤十字病院での成功事例があるのであればやってみようと、スムーズに導入が決まりました。

CAREBOOKの導入が決まった際、現場の方からの反応はいかがでしたか?

現場スタッフからは前向きに考えたいという声が多かったですが、一部のスタッフからは「CAREBOOKで本当に業務が効率化されるのか?」という疑問の声も上がりました。クラウド上での運用に変わることによって、自分たちの業務が逆に煩雑になるのではないかという不安があったようです。ですが、CAREBOOKの担当に丁寧に説明していただいたおかげで、CAREBOOKなら自分たちの負荷を増やすことなく効率化を図れると理解してくれました。そこからは、スタッフみんなが積極的に操作を覚えてくれましたね。


周辺の連携病院様へは大西様が直接お願いに回ったと伺いました。
そのときの反応はいかがでしたか?

CAREBOOKのシステムは、やり取りする連携病院さんにも導入していただかないと、絵に描いた餅となってしまいます。ですから、連携病院さんへのご案内を重要視していて、一軒一軒足を運んで導入のお願いに伺いました。すると、行く先々で大変興味を示していただけて、運用を始めた4月時点でやり取りを行う8割の連携病院に導入していただけました。スタート時点で多くの病院に参加いただけたことは、やはり普段の退院支援担当者が構築してきた良好な関係性があったからだと感じています。

「情報が正しく伝わること」それが最大のメリット

CAREBOOK導入後、どのような効果を感じられましたか?

電話の折り返しとFAXを送信する作業が軽減されたなと感じています。急を要する場合は電話も併用していますし、CAREBOOK未導入の病院もありますので電話・FAXのケースもゼロではないですが、これらが軽減されることで情報の伝達がとても早くなりました。ですが、私たちが最もメリットだと感じていることは、情報が正しく共有できるようになったことです。チャットでやり取りすることで正確な文字情報として残りますし、画像や診療情報提供書をPDF添付することができるので、FAXよりも鮮明に確認いただけるようになりました。その点は、連携病院さんからもかなり喜ばれていますね。

地方だからこそ徹底したい単独打診の運用

和歌山医療センター様の場合、複数打診をあまり行っていないと伺いました。
CAREBOOKではどのように打診を行っているのでしょうか?

私たちの場合、まず患者様の希望とご家族の第一希望を伺い、まずその病院だけに打診を行います。その第一希望の病院で調整に難渋したり、受け入れてもらえないときに、ほかの病院も並行して打診するという流れです。当然、急いで転院させなければならない時には複数打診をさせてもらうこともありますが、基本的には単独打診を徹底しています。ですから、「複数打診ができる」というCAREBOOKのメリットを消してしまっているんですよね。

しかし連携病院の立場を考えたときに、打診が来ても自分の病院に決まらなければ、結果的に無駄な業務をさせてしまうことになりかねません。それに、東京や大阪など都市部の医療圏でしたら、病院がたくさんあって選択肢も多いのですが、和歌山県のような地方医療圏の場合、病院数も少ないので患者様やご家族の希望がある程度限られてきてしまいます。そのような中で複数に打診してしまうと、決定した病院が遠方になってしまったり、ご家族が通院しにくい場所だったりすることもあり得ます。患者様とご家族の満足度も高めていく必要がありますし、連携病院側にも余計な手間をかけさせたくない。地方だからこそ、このような運用を徹底しています。


地方医療圏ならではの運用ですよね。導入時にも都市部と地方では状況が異なるご心配もあったかと思います。実際にはいかがでしょうか?

大阪での導入事例を聞いていたので、地方と都市部では医療状況が異なる中、CAREBOOKが和歌山でも使えるのだろうかという心配がありました。特に都市部だと、多くの病院に一斉に打診ができるからスムーズに転院先が決まりやすいのがメリットなのかなという印象がありました。事実、CAREBOOK導入のお願いに連携病院へ伺った際にも、今後は早い者勝ちで転院先が決まってしまうのか、今までの調整スタイルが変わってしまうのではないかと心配される病院さんもいらっしゃいました。

ですが、和歌山のような地方は病院数が少ないからこそ病院同士の関係性に重きを置いています。今までの調整スタイルには変化がないこと、CAREBOOKの導入の目的は情報の正確性とやり取りの軽減を図るためであることをしっかりとお伝えしたことで、どの病院も安心して導入いただけたのではないかと思います。

CAREBOOKのようなITシステムを使って効率化するという話と、今までの「顔が見える連携」は一見相反するようにも思われるのですが、CAREBOOKを使うからこそ、より一層関係性を重視していかなければならないと感じています。

最近はそのような病院様も増えていて、私たちも単独打診であっても十分メリットを得られるという病院様の声をもっと広げていきたいと考えています。
最後に、今後のCAREBOOKに期待することがあれば教えてください。

今後は連携病院だけではなく、訪問看護や介護施設、有床診療所などへの導入も進めてほしいですね。CAREBOOKの機能が向上・拡張することで、当センターはもちろんのこと、導入していただいている連携病院にも大きなメリットが生じ、地域全体の医療連携がさらに円滑になると思います。



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