2016年に実施された診療報酬改定では、訪問看護に関わるものは6項目あり、この記事ではそのうち「機能強化型訪問看護ステーションの要件見直し」について解説します。

この改定ポイントは、①在宅がん患者と②超重症児と準超重症児(以下、「超重症児など」と表記します)へのケアに力を入れている訪問看護ステーションを高く評価したことです。

この「要件見直し」を解説するとともに、「そもそも機能強化型とは」「そもそも訪問看護管理療養費とは」といった、基本的な知識についても紹介します。

◆さらに機能アップした訪問看護ステーションに増収の道

067_1

「普通の訪問看護ステーション」から「機能強化型の訪問看護ステーション」にバージョンアップするには、いくつか条件があり、今回の2016年改定ではその条件の一部が変わりました。

報酬の名称は「機能強化型訪問看護管理療養費」といい、これには「機能強化型訪問看護管理療養費1」と「機能強化型訪問看護管理療養費2」の2つがあります。「1」の方が「2」より条件が厳しく、その分、報酬も多いです。「従来の条件」と「改定後の条件」を表にしました。

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-12-25-11-41-17

ちなみに「超重症児などの定義」は複雑なので、記事の最後に「資料1」として載せました。
まず改定後のAは、従来のルールに③が追加された形です。訪問看護ステーションが医療機関と連携して、お看取りまで見据えてがん患者を看護するケースを評価したのです。 BとCは、新しい条件です。経管栄養や気管内挿管、人工肛門などを必要とする超重症児などは病院生活を余儀なくされることが多いのですが、子供と親の気持ちを考えると、訪問看護の機能強化により在宅生活を送れることは望ましい姿といえるでしょう。それで、超重症児などをケアする訪問看護ステーションを積極的に評価しよう、ということになったのです。

「条件緩和」とは「増収の道」が広がったことを意味します。そこで次は、訪問看護管理療養費についてみてみましょう。これ以降の内容については、2016年の改定前後で変化はありません。

◆訪問看護管理療養費がさらに増額される機能強化型

067_2

訪問看護ステーションの収入のひとつ「訪問看護療養費」は2階建てになっています。1階部分は「訪問看護基本療養費」といい、「訪問看護の仕事をすればもらえる基本のおカネ」といえます。これに「訪問看護管理療養費」などの2階部分が加わります。2階部分は「高度な訪問看護を行った訪問看護ステーションへの頑張り料」ともいえます。

訪問看護管理療養費は、①主治医との連携強化や②休日のない計画的な管理、③褥瘡対策の充実などを行っている訪問看護ステーションに対し、「訪問看護基本療養費に上乗せして」支払われます。その金額はとても高く、次の通りです。

%e3%82%b9%e3%82%af%e3%83%aa%e3%83%bc%e3%83%b3%e3%82%b7%e3%83%a7%e3%83%83%e3%83%88-2016-12-25-11-41-28

訪問看護管理療養費をもらうには、行政への手続きが必要です。厳しい条件をクリアして、難しい症例にも対応できる訪問看護ステーションだからこそ、2階部分の報酬がもらえるのです。

この報酬をさらに上げる方法があります。それは「機能強化型の訪問看護ステーション」になることです。先ほど紹介した「機能強化型になるための条件」は、2016年に変更があった部分だけでしたが、それ以外の主な条件は次の通りです。

●常勤看護職員の数が7(5)人以上

●重症患者(いわゆる別表第7の疾患に該当する患者:資料2参照)の利用者が月10(7)人以上

●24時間対応体制加算を届け出ている

●居宅介護支援事業所が、訪問看護ステーションと同じ敷地内にある

( )の数字は「機能強化型訪問看護管理療養費2」の条件です。

いずれも高いハードルですが、しかしこれをクリアすると、上記表の「月の最初の日7400円/日★」が「12400(2は9400)円/日」に増額されるのです。

◆おわりに

067_3_320cce7780627c8fd4f6f1b499dfff87_s

今回の「機能強化型訪問看護ステーションの要件見直し」には、厚生労働省の「本当は訪問看護ステーションさんにはここまでやってもらいたい」という気持ちが反映されています。

厚生労働省の気持ちには、国民のニーズが反映されています。

つまり訪問看護ステーションの機能アップは、社会の要請でもあるのです。

また、機能強化型訪問看護ステーションへのグレードアップは、経営の安定化にも直結するでしょう。そもそも訪問看護ステーションは看護師が3人集まれば開設できるので、「中小零細企業」がほとんどです。よって、機能強化型になるために常勤看護スタッフを5名以上にすることは簡単ではありません。それでもこのタイミングで厚生労働省が機能強化型を評価したということは、「同省は訪問看護ステーションの規模拡大を図りたいと考えている」と推測すべきでしょう。

このように改定には、訪問看護ステーションの生き残り策のヒントが隠されているのです。

◆【資料1】超重症児(者)・準超重症児(者)の判定基準

以下の各項目に規定する状態が 6 か月以上継続する場合※1に、それぞれのスコアを合算する。

1.運動機能:座位まで

2.判定スコア(スコア)

 (1)レスピレーター管理※2=10

 (2)気管内挿管,気管切開=8

 (3)鼻咽頭エアウェイ=5

 (4)O2 吸入又はSpO290%以下の状態が10%以上=5

 (5)1 回/時間以上の頻回の吸引=8、6 回/日以上の頻回の吸引=3

 (6)ネブライザー6回/日以上または継続使用=3

 (7)IVH=10

 (8)経口摂取(全介助)※3=3、経管(経鼻・胃ろう含む)※3=5

 (9)腸ろう・腸管栄養※3=8、持続注入ポンプ使用(腸ろう・腸管栄養時)=3

 (10)手術・服薬にても改善しない過緊張で、発汗による更衣と姿勢修正を3 回/日以上=3

 (11)継続する透析(腹膜灌流を含む)=10

 (12)定期導尿(3 回/日以上)※4=5

 (13)人工肛門=5

 (14)体位交換6 回/日以上=3

〈判 定〉 1 の運動機能が座位までであり、かつ、2 の判定スコアの合計が25 点以上の場合を超重症児(者)、10 点以上25 点未満である場合を準超重症児(者)とする。

※1新生児集中治療室を退室した児であって当該治療室での状態が引き続き継続する児については、当該状態が1 か月以上継続する場合とする。ただし、新生児集中治療室を退室した後の症状増悪、又は新たな疾患の発生についてはその後の状態が6 か月以上継続する場合とする。

※2毎日行う機械的気道加圧を要するカフマシン・NIPPV・CPAP などは、レスピレーター管理に含む。

※3(8)(9)は経口摂取、経管、腸ろう・腸管栄養のいずれかを選択。

※4人工膀胱を含む

◆【資料2】特掲診療料の施設基準等別表第7号に掲げる疾病等者

1.末期の悪性腫瘍

2.多発性硬化症

3.重症筋無力症

4.スモン

5.筋萎縮性側索硬化症

6.脊髄小脳変性症

7.ハンチントン病

8.進行性筋ジストロフィー症

9.パーキンソン病関連疾患 ・進行性核上性麻痺 ・大脳皮質基底核変性症 ・パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上であって、生活機能障害度がII度又はIII度のものに限る)

10.多系統萎縮症 ・線条体黒質変性症 ・オリーブ矯小脳萎縮症 ・シャイ・ドレーガー症候群

11.プリオン病

12.亜急性硬化性全脳炎

13.ライソゾーム病

14.副腎白質ジストロフイー

15.脊髄性筋萎縮症

16.球脊髄性筋萎縮症

17.慢性炎症性脱髄性多発神経炎

18.後天性免疫不全症候群

19.頸髄損傷または人工呼吸器を使用している状態及び急性増悪期の場合

◆参考資料、URL

●「2016年度 診療報酬改定の概要」(厚生労働省保健局医療課)

●超重症児(者)・準超重症児(者)の判定基準

●特掲診療料の施設基準等別表第7号に掲げる疾病等者

【退院調整をもっと効率的に!!ITツールの開発にあたってご意見募集中☆】

〜以下にご協力頂ける方にはクオカード3000円分を贈呈いたします〜

弊社では、退院調整において病院の地域連携室の担当者が、
受け入れ可能な施設や訪問看護ステーションを見つけるために多大な時間と労力をかけていることに課題を感じ、
それを解決するために誰でも簡単に使えるWEBサービス「ケアブック地域連携」を開発しております。

在宅療養・施設・転院などの退院調整を支援し、
リリース初期では在宅療養の中でも訪問看護ステーションの調整に特化したサービスを想定中です。

そこで退院調整に関わる看護師やソーシャルワーカーなど地域連携室にいらっしゃる方のなかで、
一度弊社の開発製品についてご説明していただき、ご意見をいただける方を募集中しております!!

場所については、ご都合のよい最寄り駅等を
ご指定いただきましたら、その周辺のカフェ等でセッティングいたします。
お時間は30分〜60分程度を予定しております。

◆ご協力いただける方には3000円分のクオカードプレゼント
◆場所の都合上、東京、神奈川、千葉、埼玉在住の方限定とさせていただきます

ご協力いただける方は以下のフォームに必要事項をご入力の上、ご送信ください。