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2016年に実施された診療報酬改定では、訪問看護に関わるものは6項目ありましたが、この記事ではそのうち「在宅指導管理料等の適正な評価」について解説します。

この項目のポイントは、心臓疾患と呼吸器疾患の治療で使われる「在宅酸素療法」「CPAP療法」「ASV療法」の3療法を、在宅で使いやすくした点です。

訪問看護ステーション管理者は、訪問看護の現場でこうした治療法が拡大することを視野にスタッフ教育をしていく必要があるでしょう。

◆在宅指導管理料は訪問看護ステーションの報酬にはならないが

そもそも在宅指導管理料は、医師が在宅患者の医学管理と指導を行ったときの診療報酬で、病院または診療所の「売り上げ」になります。よって、訪問看護ステーションの「報酬や売り上げ」には直接関わらないものです。ただ「仕事」に大きく関わる内容ですので、訪問看護ステーション管理者は知っておいた方がいいでしょう。

ちなみに在宅指導管理料には、この記事で解説する「在宅酸素療法指導管理料」と「在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料」のほかに、在宅自己注射指導管理料、在宅気管切開患者指導管理料など計約30項目あります。

◆在宅酸素療法を受ける患者の受診回数を減らして効率化

2016年改定「在宅指導管理料等の適正な評価」のその1は「在宅酸素療法指導管理料」の「料金設定の変更」で、次のように変わりました。

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一見すると、改定前の「在宅酸素療法指導管理料」を「在宅酸素療法指導管理料と在宅酸素療法材料加算」に分けただけのように映るでしょう。報酬額は変わらない、と感じるかもしれません。

改定前は、在宅酸素療法を受けている患者は毎月、医師の診察を受ける必要がありました。毎月の受診を怠ると、在宅酸素療法が継続できなかったのです。これでは患者の負担が増すだけでなく、厚生労働省が推進する「在宅医療の充実」方針に合致しません。

そこで2016年の改定で、「在宅酸素療法材料加算」を新設しました(★印)。「在宅酸素療法指導管理料」は医師が患者を診察しないと請求できませんが、「在宅酸素療法材料加算」を作り医師の診察を受けなくてもこの加算を請求できるようにしたのです。

ただ改定後も3カ月に1回は医師の診察を受けなければなりませんが、それでも3カ月のうち2カ月は医師の診察なしに在宅酸素療法を継続できるので、「医師の診察の効率化」につながるでしょう。

医師の仕事の効率化は、裏を返すと訪問看護ステーションにとっては好機です。

というのも、受診回数が減ると、医師としては「あの患者は大丈夫だろうか」と心配することになります。そこで医師は、在宅酸素療法の取り扱いに慣れている訪問看護ステーションに業務を「発注」することになるでしょう。

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◆ASV療法に精通して差別化を図ろう

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2016年改定「在宅指導管理料等の適正な評価」のその2は、「在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料」が大幅に値上がりしたことです。最新の「ASV療法(二相式気道陽圧呼吸療法)」を提供しやすくしました。

改定前の「在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料」は、「月1回250点(2500円)」の料金設定しかありませんでしたが、改定後は「月1回250点」と「月1回2250点(22500円)」の2本立てになりました。

飛躍的に料金が上がった「月1回2250点」の対象となる患者は、

①慢性心不全の患者で呼吸状態が著しく悪い

②CPAP療法を実施しても睡眠時無呼吸症候群が改善せずASV療法を実施している

の2条件に該当する人です。

睡眠時無呼吸症候群は、公共交通機関の運転手が運転中に居眠りをして事故を起こしたことなどで社会問題になりました。しかしここで対象となる患者は、そのような「睡眠時無呼吸症候群を発症しているけど働いている人」ではなく、在宅療養を余儀なくされ、慢性心不全も発症している睡眠時無呼吸症候群の患者なのです。

つまり、「在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料の月1回2250点の対象となる在宅患者」は「相当重症」といえます。つまりASV療法に精通することで、訪問看護ステーションは競合他社と差別化できるわけです。

◆ASVはCPAPの進化バージョン

睡眠時無呼吸症候群の治療といえば、CPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)が知られています。CPAPは空気を送り込む機械で、この機械と管でつながったマスクを患者が口に装着すると、患者の口に強制的に空気が送り込まれ、夜寝ているときの無呼吸状態が解消されるわけです。

ASVはCPAP同様、強制的に患者の口に空気を送り込む機械です。違いは、CPAPが常時空気を送り込んでいるのに対し、ASVは患者の呼吸に合わせて空気を送り込みます。

◆医療機器の進化が訪問看護を変える!?

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2016年の改定で在宅ASV療法の診療報酬を上積みしたことは、厚生労働省が新しい治療法を積極的に評価したからです。これにより、医療度の高い在宅患者のQOLは高まることが期待されます。

しかしいくら新しい治療法が開発されても、それを操作、管理できる人がいなければ意味がありません。病院に勤める看護師ならば、医療機器の操作を臨床工学技士に尋ねることができます。しかし訪問看護師は、自分の力でマニュアルを読み解き正しく操作しなければなりません。訪問看護の仕事は、医療機器の進化とともに変化していくのです。

◆参考

●「2016年度 診療報酬改定の概要」(厚生労働省保健局医療課)

●「睡眠時無呼吸症候群」(日本呼吸器学会)

●「慢性心不全に有益なASV療法」(日経メディカル)

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