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「いつまでも住み慣れた地域で暮らすことが出来る社会」を目指し地域ケアシステムの構築が始まっています。

地域で在宅生活を送る上で多職種連携は欠かせません。しかし、専門職同士のお互いの立ち位置から理解し合うことが難しいこともあります。

多職種連携において介護保険の領域ではどのような点で苦労しているのかを、ケアマネジャーの体験から見ていきましょう。 

◆ケアマネジャーの役割が周囲に理解されるまでに時間がかかった

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ケアマネジャーが多種職連携の難しさを感じた一つの例として、介護保険施行直後の平成12年当時の介護老人保健施設についてあげてみます。介護老人保健施設は医療と介護の中間施設という位置づけです。一つの施設の中に医師、看護師、介護職がおり、加えて「病院では直属の上司は医師である」という認識のリハビリ専門職までいるのですから、その連携の難しさは最たるものでした。

今でこそ利用者さん本位という概念が定着していますが、当時はそれぞれの専門職が個々の立場と目線で「こうあるべき」と主張しあう場面がよくみられました。また、ケアマネジャーという資格も真新しいものでしたので、カンファレンスで進行役をするだけでも「偉そうにして」という拒絶の態度をされたこともあります。

ケアマネジャーは皆の意見の中から利用者さんのニーズと目標を叶えるために有用な手段を選びだし、方針をまとめることに四苦八苦しました。

他職種連携の軸となるケアマネジャーの役割自体が周囲に理解されるまでには時間がかかったように感じます。

◆訪問看護師と訪問介護員の不穏な空気に介入するのが難しい

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医療面でケアが必要な高齢者の在宅介護で、ケアマネジャーが多職種連携で苦労した一例を紹介します。

あるとき、医療度の高い高齢者に対してベッドバス(ベッド上での入浴のこと)を行うことになりました。訪問看護師と訪問介護員が協力して行う計画で、入浴前にバイタルの確認と必要であれば浣腸が訪問看護師によって施されます。

ベッドバスの日以外にもケアで訪問している訪問介護スタッフから見ると、より多くの時間関わっている分、「体温がいつもより高い」、「今日は浣腸をしておいて方が良い」と感じる日もあります。しかし、その時訪問看護師がそう判断しなければなかなか言い出せません。逆に、訪問看護師はいつも訪問している訪問介護スタッフに対して「もっと早く気がつくべきことなのに」と感じている時もあります。双方の感じ方や、一つのことに対する判断のタイミングが異なるのです。

ケアマネジャーは月に1度のモニタリング訪問はするのですが、その機会以外ではご家族からの相談やサービス提供事業所からの報告で現状を知るということになります。このケースでもベッドバスの度に訪問看護師、訪問介護員間のやり取りがどことなく不穏で、ご家族がいたたまれない気持ちになっているということにケアマネジャーは気がつきませんでした。

モニタリング訪問をして初めて、サービス提供事業所それぞれかが別々の見解で話すのでご家族が困っていると知りました。双方の事業所に事情を聞いてみますと、それぞれの立場から利用者さんを思えばこその言い分があることがわかりました。改めて担当者会議の場を設けることでようやくお互いに理解しあえることができましたが、ケアマネジャーが介入するタイミングを察知するのは難しいと感じました。

1つのケースにおいて他職種の関わりが多ければ多いほど、ケアマネジャーは連携が上手くできるように細やかな目配りが必要です。

また、皆が不安に感じていることや困っている事柄について、新たな問題点としてとらえるか否かの判断を下す役割をケアマネジャーが十分に果たせるように、ケアチームのメンバーからの報告が密に寄せられるととてもありがたいですね。

◆医師との連携に心が折れる

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在宅医療では医師が定期的に自宅を訪問し診察をしてくれます。その診察のタイミングを見計らって、在宅介護の担当者会議を開催するためにケアマネジャーは苦慮します。医師との連絡調整はケアマネジャーでも緊張を感じてしまうので、出来れば医師が往診している時に多職種も集まって担当者会議を開きたいのです。

しかし、そう上手くはいかないもので訪問介護員の都合がつかない、時間設定して皆で待ち構えていても医師が時間通りに現れないということもしばしばです。

何とかメンバーがそろっても、不用意な質問をうっかり医師にしてしまい「それを聞いてどうするの」と返され心が折れてしまいます。確かに、ケアマネジャーとしてどうするということもなく医師にするのにふさわしい質問を考えて身構えて臨んでいるので、チームケアに活かすことができる質問になっていないのです。

同じチームのメンバーでありながら医師との距離を自ら作ってしまう悪い癖は直した方が良いですね。

◆訪問看護師と訪問介護員が火花を散らし、肝心のご家族は呆気にとられる

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在宅医療と介護において、24時間呼吸器を必要とする難病の方の対応にあたることがあります。そのようなケースでは主治医、往診医、訪問看護、訪問介護、福祉用具貸与事業所等がチームを組むことが多いです。

利用者さんの状況によっては吸引ができる訪問介護員が配されることもあり、介護職の中でも特殊な技術と経験を持ち合わせている分、仕事に対するモチベーションも常に高くあると見受けられます。訪問看護師はより医療度が高い利用者さんの対応ということで話す内容も本来の医療色の濃いものになっているので、時に訪問介護員と訪問看護師同士が火花を散らしてしまいます。

ある時、呼吸器が壊れたり停電が起きたりした時のために、手動で人工呼吸を行うバッグ「アンビューバッグ」の使用の勉強会を利用者さんの自宅で行うことになりました。 アンビューバッグの使用方法を第一に習得してほしいのは、共に暮らしているご家族です。 アンビューバッグを扱っている業者さんが説明に入ると訪問看護師は我先にその経験から説明の補足を始めました。訪問介護員も自身が知り得ている知識で質問攻めです。そして互いに専門用語を連発です。よもやベッドと車いすをレンタルしているために出席している福祉用具貸与担当に至っては蚊帳の外であります。ケアマネジャーも毎日ケアに入ってくれている訪問看護と訪問介護には、何となく頭が上がらない気持ちもあり完全に舵取りが出来なくなってしまいました。

肝心のご家族は呆気にとられ、一番知りたい基本的な使用方法がよくわかりません。 とうとう「どうせ訪問している時は看護師がやりますから!」訪問看護師がそう口走ってしまったので、訪問介護員もたまらず「私だってできます!」と発言していました。 結局、業者さんが話の流れを軌道修正するようにしてケアマネジャーに話を振ってくれましたが、ケアマネジャーは難病ケースに対する経験と知識不足から自信のなさが前面に出てしまい、上手く話ができませんでした。せっかくの勉強会は後味が悪いまま終わってしまいました。

多職連携とはそれぞれの専門性を融合させるだけではなく、一つの方法を皆で統一して理解し、誰しもがいざという時に共通認識と判断で出来るということが大切です。自己の存在を主張することが優先されては困ってしまいますね。

また、肝心な利用者さんとご家族への支援に支障をきたさないように特にケアマネジャーは苦手意識を克服できるように、日々勉強し続けることを忘れてはいけませんね。

◆互いを認め合い、学び合いながら多職種連携をしていきましょう

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多職種連携では相手の立場と自身を比較して遠慮してしまったり、場違いな考えや発言をしてしまうのではないかという不安から上手くいかないこともあります。 しかし、現実には職種の違いを超えて専門職同士が一つの目標に向かって手を取り合っていく地域作りが始まっています。

他に国に類を見ない少子高齢化社会にあって、住み慣れた地域で誰もが安心して生活できる社会の構築を私たちが担っているのです。多職種連携では個々が自身の知識と経験、手技をチーム内で効果的に発揮しあうことが肝要です。そのためには互いに認め合い、学び合うことが大切です。

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