こんにちは、3sunnyインターン生の牧野です。

11月30日(水)、社会福祉法人愛川舜寿会(ミノワホーム)の馬場拓也常務理事主催『 VRで視野をひろげる勉強会』に参加してきました。「視野をひろげる勉強会」はミノワホームの職員を中心に他事業所の職員、地域の方まで誰もが参加でき、「介護」に限定することなく様々なゲストからのレクチャーを受け、狭くなりがちな“視野をひろげる”ことで社会課題を多角的に捉える目を養うというコンセプトで開催されています。今回のゲストである下河原忠道氏(株式会社シルバーウッド代表取締役)がどのような思いで認知症VR体験を開いているのか、その熱い思いを伺ってきました。

VRとは

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VRとは【バーチャル・リアリティ】の略で、人間の感覚気管に働きかけることで現実のように感じられる環境を人工的に作り出す技術の総称です。

ヘッドマウントディスプレイとヘッドフォンを装着すると、音と共に360°を見渡せる映像が流れます。この映像と音響の効果で、3次元空間内にユーザーの身体を投影し、空間への没入感を生じさせます。空間内では移動や行動が可能で、動作に応じてリアルタイムに変化や応答が得られます。(注: VR認知症体験ではできません)

先日SONYがPlayStation®VRを発売して話題になりましたよね。今、ゲーム業界を始めとした様々な業界で大注目の最新技術です。

VRで認知症体験する

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さて、そんなVRを使った認知症体験とはどういうことなのでしょうか?この問いかけに答えるために、まずは認知症について考えてみたいと思います。

皆さんは認知症について正しく理解していらっしゃいますか?

たった三文字で表される認知症ですが、認知症を引き起こす病気は70~100種類あると言われ、さらには認知症自体にも、アルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、脳血管性認知症などが存在し、その症状はとても一括りにはできないほど十人十色です。 例えば、友達や家族が風邪を引いたとき、私たちは「それはツライね。うんうん、わかるよ。お大事にね。」と自身が過去に体験した風邪の辛さを想起しながら優しく声をかけることができますよね。ところが認知症の場合には、体験したことがないので、「どんな感じでツライのか」がわからず、共感することが途端に難しくなります。

レビー小体型認知症の方に特徴的にあらわれる「幻視」を例にとると、他人には見えていなくとも、本人には確かに見えている事実に対して「そんなのいないよ、何言ってるの」と第三者が言ってしまったり、視空間失認の中核症状を持つ認知症の方が、空間の認知をうまくできず、目の前に落ちる陰が大きな穴に見えてしまい歩き出すことに躊躇している状態にもかかわらず「私が後ろについていますから、大丈夫ですよ」と言ってしまったりする訳です。

この一見普通に見える対応が、どれほど認知症の方に辛い思いをさせるのか。そうした様々な症状に困っている認知症を持つ人々を一人称で理解するために、共感するために、VR認知症体験はあります。

実際にVR認知症体験をした感想

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今回の勉強会では3つの動画でVR認知症体験をしました。1つずつ見ていきたいと思います。

体験1:電車の中

「わたし」は電車の中にいます。友達に会うために横浜へ向かっているのですが、あれこれ考えている内に「この電車で合っているのかしら…いいのかしら…あれ、私はどこに向かっているんだっけ。私は今、どこにいるんだっけ。」と不安になっていきます。ある駅に着いたとき、周りの人がたくさん降りていく様子を見て、「わたし」も降りてしまいます。あたふたとした様子を駅員さんに怪訝な顔で見られつつも、1人の優しい女性に話しかけられ、事なきを得ます。

——以上のストーリーを体験したのですが、まず最初に、VRのリアリティに驚きました(実は今回初めてVRというものを体験しました)。目の前に広がる電車内の様子も、隣に座る男性の姿も、本当に電車の中にいるような感覚です。体験終了後、下河原氏は1つの問いかけをして下さいました。

「この方は認知症だと思いますか?」

私はハッとしました。

というのも今回こちらの勉強会へ伺うバスの中で、まさにVRの中の「わたし」と同じ経験をしたからです。本厚木駅から愛川町までの約40分、「このバスで合ってたのかな…今私はどこにいるのかな…あれ、どのバス停で降りるんだっけ?」と終始ヒヤヒヤしながら乗っていました。

「認知症の人だろうが、認知症ではない人だろうが、少なからず同じように困ることがありますよね。買い物に行きたい、娘に会いに行きたい…目的を持って外へ出ることは普通のこと。ただ、認知症の人は途中で目的を忘れてしまうことがあるだけなんです。それを世の中は『あの人は徘徊している』と言う。それっておかしくないですか?私はそれがおかしいと思うんです。」

下河原さんの言葉は力強さと優しさに溢れていて、思わず目が潤みました。

体験2: ビルの屋上

所変わって、「わたし」はビルの屋上にいます。一歩出れば真っ逆さまに落ちてしまう場所になぜか立たされており、左にいる女性が「大丈夫ですよ。右足を出してみましょうね。」と言うではありませんか。

(一歩出たら死んでしまう…!)

そんな恐怖と戦っていると、後ろからも声が聞こえてきます。「私が後ろにいますから、安心して下さい。」とても安心できる状況ではありません。

(このままではビルの屋上から落ちちゃう…助けて…!)

悲痛な心の叫びとともに暗転し、見えてきたのは車から降りるシーンでした。そうです、実は「わたし」は車から降りるところだったのです。

何の変哲もない行為が、認知症の方にとっては命の危険を感じるほどの状況に見えるということ。今回の体験を通して、実感を持ってそれを理解することができました。

体験3: レビー小体病(幻視編)

最後の体験は、レビー小体病の方が見えている幻視の体験です。

サークルの集まりに参加するべく後輩宅へお邪魔するという場面なのですが、開けられたドアの向こうに男性が立っていたり、ソファに座る後輩の左奥に体育座りをしている男性がいたり、突然犬が走り出してきたり、ケーキに芋虫がいたり…レビー小体型認知症の方が見えている世界は幻像がありありと見えています。

周りの人から「どうしたんですか?」と不思議そうに見られると、「私だけが見えている、みんなにおかしいって笑われてしまう…恥ずかしい。」と、ますますパニックに陥る方もいらっしゃるそうです。

この体験内容を監修した樋口直美さんは、「認知症の人を追い詰めるのは不適切な医療とアウェイな環境」と著書「私の脳で起こったこと〜レビー小体型認知症からの復活〜」の中で仰っています。アウェイな環境を作らないように、VRで認知症を体験する人が増えて、認知症への理解がこれから進んでいけばいいですよね。

普通の日常をいかに創っていくか

 

保育は、自分が子供頃にしてもらって嬉しかったことを思い出しながらすることができる。でも介護ってぼく達にとってまだ見ぬ未来だから、高齢者の人たちを我々の枠に嵌めてしまいがちですよね。“特別”養護老人ホームなんて言われるけど、必要なのはトクベツじゃない。フツウな日常をいかに創っていけるか。それが大切なんです。」

主催の馬場氏は勉強会の締めくくりとして、このように仰って下さいました。

今回の勉強会を通して私が感じたのは、下河原氏も馬場氏も「普通」を大切にしていらっしゃるということです。

乗り慣れない電車で、目的地にたどり着けるかどうか不安で慌ててしまう。買い物に行きたいから外に出る。これって普通のことですよね。

人として当たり前のことが「認知症」という仮面を被らされて、「あの人は認知だから外出しないように管理してくださいよ!」と言われるようになってしまうのです。仮面の下にいる本当の感情に気がついて、認知症の人への接し方がより良くなっていけばいいなと思いました。

ぜひVR認知症体験をしてみましょう

認知症の症例は人それぞれ異なり、一括りにはできない状態です。その上、見えている世界も違うことがあるのですから、「つらいですよね、わかります」と共感することも難しいです。

しかし、今回VR認知症体験をすることで辛さを少しだけ共感できるようになりました。頭の中をぐるぐる巡らせて「想像」するよりも、VRで「体験」する方が経験として残るので、共感度が高まると思います。

気になった方はぜひVR認知症体験に行ってみてくださいね。

 

株式会社シルバーウッド VR認知症プロジェクト

社会福祉法人愛川舜寿会 ミノワホーム

 

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