少し前までは、病院から施設や関連病院への転院が多く見られていましたが、退院調整を行うと加算がとれる制度を新たに国がつくり、在宅へ患者様を帰す努力が評価されるようになりました。患者様の症状は、終末期を在宅で迎える方や、疾患を持った状態で在宅療養を続けている方、また、病気の治療はひと段落したものの、継続した処置や高度なケアが必要な方など、様々です。

しかし、在宅へ患者様を帰すためには、病棟看護師・医師と在宅で継続してケアを行っていただく訪問看護師との連携が重要となります。今回は病棟看護師として、在宅医療へ移行するために行っていることや、感じたことをお伝えしたいと思います。

◆訪問看護師はスケジュールがいっぱい

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急性期病院において、退院調整は必須です。在院日数が3ヶ月を超えると、患者様から頂けるお金はほとんどありません。もちろん、治療が長引いて入院が必要な場合は仕方ありませんが、在宅でも管理が可能な状態にも関わらず、在宅環境が整わず退院できない、という状況は避けたいものです。そのためにも、早期に退院調整が必要となり、メディカルソーシャルワーカー・医師・病棟看護師・ケアマネージャー・訪問看護師が集まり、カンファレンスを開く必要があります。

しかし、入院してすぐの場合は大体病状が安定せず、在宅でどのように過ごせるかまだはっきりしない状況でもあります。入院後7日以内に退院調整を始めることが望ましい、とされていますが、現実は必ずしもそうとはいきません。

そして、やっと治療のめどがつき、退院が見えてカンファレンスを開きたい、と思っていてもそれぞれのスケジュールが合わないことも多々あります。医師としては、病状が安定している今退院してほしい。病棟看護師としては、在宅の環境を確認して、必要な退院指導をしたい。だから、早期にケアマネージャーや訪問看護師に来てもらいたい。と考えています。

ところが、訪問看護師は訪問する予定がびっしり組まれているので、「今週来てください」といってもなかなか予定が合いません。ケアマネージャーも同じです。そして、「では来週に」と日にちが延びてしまい、入院が長引いて病状が変化し帰るタイミングを逃してしまうことがあります。

◆訪問看護師からの病棟への電話は答えられない

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なかなか病院訪問ができない訪問看護師も、やはり在宅に移行するにあたり、患者様の情報は知りたいものです。どのくらいADL(日常生活動作)が下がっているのか、医療行為は何が必要なのか、など、収集しておかなければならない情報がたくさんあります。そのため、「○○さんの担当の訪問看護師の○○です。いまはどういったご様子でしょうか。歩けるのですか?」など、時々病棟に電話で連携を図ってくる訪問看護師がいます。

しかしながら、昨今個人情報保護には厳しい時代背景があります。特に病院においては、電話越しに患者様の情報をお話することは厳しく禁止されております。そのため「申し訳ありませんが、電話で患者様の情報はお話できません。」とお答えするしかありません。大抵の場合は訪問看護師に理解して頂けるものの、それでも何度かかかってくることがあり、若い病棟看護師ではうまく対応できないときもあります。

病棟看護師としては、まずは患者様の様子を見に来てほしい、という気持ちがありますね。

◆訪問看護師と病棟看護師の知識と考え方の違い

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カンファレンスが無事開催され、在宅医療の形ができてきたとします。病棟勤務をしていると、医療消耗品や医療機器に困ることはあまりありません。病院の規模にもよりますが、院内では医療レベルを統一するために、技術マニュアルが存在し、マニュアルに沿った方法でケアにあたります。そのため病棟看護師は、「病院で提供しているケアをそのまま在宅で継続してほしい」と考えるのですが、在宅では用意できない消耗品や機器があります。在宅でどのように工夫したら、いまのケアを在宅で継続できるか、そのすり合わせはなかなか難しいものです。

例えば、栄養剤の種類に対するすり合わせが難しいことがよくあります。病院では、さまざまな種類が採用されており、患者様に合った栄養剤を選ぶことができます。栄養剤には食品のものと、医薬品のものがあります。医薬品は保険適用なので患者様の負担が減りますが、食品は自己負担となってしまいます。また、半固形状のものは単価が高いという問題があります。

そこで、訪問看護師は介護保険・医療保険を駆使し、在宅ならではの工夫をこらし、患者様の意向に沿った方法を提案します。

一方病棟看護師は、患者様の意向に移行に沿った方法だけでなく、治療に必要な制限もしなくてはならないので、同じケアでも方法が変わってきます。

病院で行ったケアを在宅でも継続できるように、どのような方法があるか、訪問看護師も、病棟看護師も一緒に考えることが重要だと思います。しかし、現状は看護サマリーでの引き継ぎが殆んどであり、病棟看護師は引き継いだケアがどのように在宅で行われているか、知るすべがありません。

◆在宅の移行は往診経験のない医師との連携が困難

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訪問看護師・ケアマネージャー・病棟看護師・メディカルソーシャルワーカーが連携して、在宅医療の調整を図ることに奮闘していても、往診経験のない医師はどうしても病院以上の療養はできない、と考えがちです。せっかく自分が治療した患者様が、在宅に戻り状態が悪化して再入院ということを嫌がる医師もいます。

その結果、自宅へ帰りたい、という患者様の意向に沿えないこともあるのです。 患者様や家族にしてみると、医師に提案されると「施設や病院の方がいいのかもしれない」と思ってしまうのです。 訪問看護師は病棟看護師とは連携を図りますが、病院医師との連携はまだ希薄なことが多いです。

訪問看護師から、具体的に在宅医療はこんなことをします、と病院医師へ提案できたら、病院がすべてと考えている医師もすこしは変わるかもしれません。

◆短い時間でより内容の濃い連携を図りましょう

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国として在宅医療への移行を促している昨今。在宅医療と病院の連携はとても重要です。

しかし、現状は連携が十分とはいえません。多職種・それぞれの専門性の違いから、考え方の違いもあり、お互いの考えをすり合わせるには時間を要します。 急性期病院において在院日数の短縮は避けられない課題です。

訪問看護師・病棟看護師・メディカルソーシャルワーカー・医師・ケアマネージャーそれぞれがお互いの職種を普段から理解し、短い時間でより内容の濃い連携を図ることが重要となります。

 

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