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在宅医療の現場は、文字通り利用者さんの自宅です。そして、私たち看護師は、訪問看護という形で、利用者さんの自宅に行き、必要な治療やケアをします。 しかし、在宅医療は病院とは違い、設備が無ければ、治療やケアに必要な物品も無いので、時には思わぬ事が起こる場合があります。

そこで今回は、訪問看護師である私が体験した在宅医療でヒヤッとしたことをお話ししたいと思います。

◆田んぼや畑で覆われた利用者さんのお宅に辿り着けない

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在宅医療は、治療を必要とする利用者さんが何らかの理由で病院に通う事ができなかったり、介護度が高くても長期に入院する病院が無かったりする場合、医師の治療を自宅で受ける事ができます。 そのため、医師は往診という形で利用者さんのお宅に行きますし、看護師は訪問看護として利用者さんのお宅に行くことになります。

しかし、在宅医療では、病院とは違い、必要な設備が揃っているわけではありませんし、利用者さんの安全を守るような身の回りの設備が整っているわけではありません。そのため、在宅医療では、あってはならないことでしょうが、ヒヤッとする場面があるのです。

在宅医療の現場で、私が初めてヒヤッとしたことは、利用者さんのお宅になかなか着くことができなかったことです。私が訪問看護を初めて間もない頃は、利用者さんのお宅の場所を覚えていなかったので、利用者さんのお宅に行くために地図を見ながら行っていました。私が住んでいる場所は地方なので、街を離れてしまえば田んぼや畑がたくさんあります。

利用者さんは高齢の方がほとんどですので、体が丈夫だった頃は農家をやっていて、畑で作物を作っていた方が多かったです。そのため、利用者さんのお宅が田んぼや畑で覆われていたりすることがあり、道も農道だったりすることがあります。そして、利用者さんのお宅に行くための目印があまりないので、利用者さんのお宅を覚えるのに苦労しました。

在宅医療では、利用者さんのお宅に訪問する時間が決まっていますので、まだ利用者さんのお宅に行くまでの道に慣れてなかった頃は、道を間違えたり、利用者さんのお宅を間違えてしまったりして、約束の時間がギリギリになってしまうことが多く、何度かヒヤッとしました。

◆バリア「ノン」フリーの日本家屋

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在宅医療では、医療の現場が利用者さんの自宅なので、病院のように設備が整っていないことがほとんどです。そして、利用者さんの身の回りの設備が整っていないことが多いのです。

病院には、ギャッチアップができるようになっている利用者さん用のベッドがあります。そのベッドには柵が付いていて、利用者さんがベッドから転落しないようになっています。また、利用者さんが転倒しないように廊下や病室には手すりが付いていたり、病室と廊下の境には段差がありません。

しかし、在宅医療では、そうはいきません。最近では、バリアフリーのお家がたくさんありますが、私が訪問看護をしていたお宅は昔ながらの日本家屋が多かったので、バリアフリーのような作りではありませんでした。

とある女性の利用者さんは、体調が良い時には居間から玄関まで見送ってくれました。(「危ないからいいですよ」といつも言うのですが…)しかしある時、「体調が良いから」と言って、私を玄関まで見送ろうとしてくれた際、居間と廊下の境にあった少しの段差に足のつま先が引っかかってしまい、転倒しそうになったのです。

私は、とっさに利用者さんの体を支えたので転倒することはなかったのですが、その時はとてもヒヤッとしました。

◆「注射針一本」に懸ける重みが病院と在宅で異なる

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在宅医療では、設備が整っていないことはもちろん、医療を行うための物品もありません。例えば、採血針や注射器などや、吸引カテーテルなどです。 そういった必要な物品は、訪問看護用のかばんに前もって準備しておきますが、状況によっては、持ってきた物品が足りないということがあります。

在宅医療をしていたある利用者さんは、訪問するたびに点滴をしていました。ある日のこと、その利用者さんにいつものように点滴をしようとしましたが、その日に限って血管は触れるのに、針を刺す時に血管が逃げたり、針が血管に刺さっても、点滴が漏れてしまったりして、点滴がなかなかうまくいかなかったのです。こんなことは、この利用者さんのお宅に訪問する事になってから一度もなかったので、予備の針も4本しか持ってきていませんでした。しかも、アルコール綿もたくさん持ってきていませんでした。

これがもし、病院で点滴をするという状況でしたら、点滴を他の看護師に変わってもらったりすればいいですし、針やアルコール綿もたくさんあります。

しかし、在宅医療では、代わりの看護師はいませんし、物品も数が限られています。その場には、私しかいないのです。 幸い、最後のアルコール綿と針で血管をしっかりと捉えることができ、点滴の漏れもなく、無事に点滴をすることができました。

◆かばんの中身を十分に確認しないまま往診へ赴きヒヤッと

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在宅医療では、看護師が訪問看護をしに行くだけではなく、医師とともに往診を行うこともあります。その際、往診かばんの物品確認は看護師が行い、往診で使った物品を補充して、次の往診で物品がないといったことがないようにします。

往診に行く前にかばんの中身を確認することは大切なことですが、ある日の午後、病院の業務が忙しく、いつものように時間をかけて確認をしないまま往診へ出てしまったことがありました。 訪問看護の時は自分一人なので、例えば何か物品が足りないとなれば、病院へ戻ればいいのですが、往診では、看護師ではなく医師が車を運転するので、物品が足りない場合に病院へ戻る事はできません。「もしかしたら忘れ物があるかもしれない…」と不安なまま往診へ行きました。

ある利用者さんのお宅に行き、注射の準備をするために往診かばんを開けると、薬液に対して容量の少ない注射器しかありませんでした。その時私は、「大変!どうしよう…」と焦りながらも、往診かばんの注射器が入っているところを奥の方までガサゴソと探りました。往診かばんはくたびれていたので、かばんの奥の方に布のたるみがありました。その布のたるみの中に必要な容量の注射器が運良く1本だけあったのです!

無事利用者さんに注射することができ、このお宅が最後の往診だったので難を逃れました。しかし、あの時は、本当にヒヤッとしました。

◆おわりに

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在宅医療は、病院のように設備が十分ではないので、在宅で医療行為を行う上で、時には難しいことがありますし、思わぬことが起こることもあります。その思わぬ事は、今回の事例のようにヒヤッとすることに繋がることがあります。

現代の日本は高齢化社会と言われていて、これからもどんどん高齢の方が増えます。そして、在宅医療を受ける利用者さんも増えていくと思いますので、在宅医療をしていく中でヒヤッとすることが起こらないようにすることが大切ですね。

 

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