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まず初めに「同一日2か所目の訪問看護ステーションによる緊急訪問」が問題になるのは、介護保険ではなく医療保険のときです。

介護保険による訪問看護は、ケアプランに盛り込まれれば「1日に何回でもOK」ですし、「2か所以上の訪問看護ステーションを使ってもOK」です。

しかし医療保険による訪問看護は、「原則1日1回」「原則1カ所の訪問看護ステーション」となります。

ただ、医療保険であっても、在宅患者が深刻な状況の場合は、「1日複数回」「2か所の訪問看護ステーション」がOKになります。従来は、「同一日2か所目の訪問看護ステーション」は「緊急訪問」を行ったときでも、訪問看護基本療養費を請求できませんでした。つまり2か所目の訪問看護ステーションの報酬はゼロでした。それが2016年度の診療報酬改定で、報酬がもらえるようになったのです。

以下に詳しく見ていきましょう。

◆もらえる報酬は緊急訪問看護加算「1日1回2,650円」

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「報酬が出る」と述べておいて申し訳ないのですが、「訪問看護基本療養費」は今回の改定でも、2か所目の訪問看護ステーションには出ません。 2016年度から出るようになったのは「緊急訪問看護加算」で、1日1回限り2,650円です。 それでは次に、どのようなシチュエーションのときにこの緊急訪問看護加算が出るのか解説します。

◆対象となる患者の条件

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まず対象となる患者は、医療ニーズが高い人となります。具体的には、①末期がんなど「別表第7」の疾病患者、②重度の褥瘡など「別表第8」の患者、③特別訪問看護指示書が出ている患者、④精神科特別訪問指示書が出ている患者です。

①と②については、長くなるのでこの記事の最後に「参考」として掲載しました。

さらに、利用者または利用者家族が、「同一日2か所目の訪問看護ステーションによる緊急訪問」を求めていて、主治医がそれを指示することが必要になります。

◆どの訪問看護ステーションも対象となるわけではない

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さらに、すべての訪問看護ステーションが、緊急訪問看護加算をもらえる「同一日2か所目の訪問看護ステーション」になれるわけではありません。

「確かなスキル」と「それ相応の関わり」が求められます。

訪問看護ステーションとして、24時間対応体制加算の届出を出していることが必要になります。つまり原則を押し切ってまで、同じ日に2か所目の訪問看護ステーションを出動させるわけですから、24時間対応できるスキルを持っていることが条件になるのです。

また、訪問看護ステーションは、緊急訪問看護を行った日の前の1か月間に、その患者に対し訪問看護基本療養費を算定できる訪問看護を行っていなければなりません。つまり「一見さん」の患者のところには緊急訪問看護は行えないということです。

◆2つの訪問看護ステーションを使うってどういうこと?

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「同一日2か所目の訪問看護ステーションによる緊急訪問」の解説としては以上の通りなのですが、「そもそもどうして1人の在宅患者が2つもの訪問看護ステーションを利用しているの?」という疑問が残ると思います。

その答えは「それだけ在宅患者が重症化している」ということに尽きます。

2か所利用が想定されるのは、例えば「リハビリ」と「高度な技術が必要な看護」の両方を必要としている場合です。例えば筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者は、気管切開による人工呼吸器、胃瘻、尿道留置カテーテルなどを受けています。こうした医療には高い看護スキルが求められます。さらにALS患者は、呼吸訓練などのリハビリが必要になります。そうなるとPTがいる訪問看護ステーションでないと対応は難しいため、2ヶ所利用が必要となる場合が生じるのです。

◆さいごに

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日本の訪問看護ステーションは看護師が常勤換算2.5人いれば開設できるので小規模な事業所が多く、どのような在宅患者にも対応できるところは少ない状況です。そこで、それぞれの訪問看護ステーションが、それぞれの強みを持ち寄って在宅患者を支える仕組みが必要になります。今後も今回のような報酬改定が行われるかもしれません。

最新情報を見逃さないようにアンテナを張っておきましょう。

◆参考

①特掲診療科の施設基準等の別表第7の疾病

1.末期の悪性腫瘍

2.多発性硬化症

3.重症筋無力症

4.スモン

5.筋萎縮性側索硬化症

6.脊髄小脳変性症

7.ハンチントン病

8.進行性筋ジストロフィー症

9.パーキンソン病関連疾患 ・進行性核上性麻痺 ・大脳皮質基底核変性症 ・パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上であって、生活機能障害度がII度又はIII度のものに限る)

10.多系統萎縮症 ・線条体黒質変性症 ・オリーブ矯小脳萎縮症 ・シャイ・ドレーガー症候群

11.プリオン病

12.亜急性硬化性全脳炎

13.ライソゾーム病

14.副腎白質ジストロフイー

15.脊髄性筋萎縮症

16.球脊髄性筋萎縮症

17.慢性炎症性脱髄性多発神経炎

18.後天性免疫不全症候群

19.頸髄損傷または人工呼吸器を使用している状態及び急性増悪期の場合

②特掲診療料の施設基準等の別表第8の患者

1.在宅悪性腫瘍患者指導管理若しくは在宅気管切開患者指導管理を受けている状態にある者又は気管カニューレ若しくは留置カテーテルを使用している状態にある者

2.在宅自己腹膜灌流指導管理、在宅血液透析指導管理、在宅酸素療法指導管理、在宅中心静脈栄養法指導管理、在宅成分栄養経管栄養法指導管理、在宅自己導尿指導管理、在宅人工呼吸指導管理、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理、在宅自己疼痛管理指導管理又は在宅肺高血圧症患者指導管理を受けている状態にある者

3.人工肛門又は人工膀胱を設置している状態にある者

4.真皮を越える褥瘡の状態にある者又は在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者

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