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膨らみ続ける医療費の削減策として厚生労働省は「患者を病院から在宅医療へ」という流れを強化させようとしています。訪問看護ステーションが行う「お看取り」という仕事は、そうした政策の一部を担っているといえます。また、長年住み慣れた場所で亡くなることは、本人や家族の幸せにも合致すると考えられています。

お看取りを含むターミナルケアの仕事の重要性は、介護報酬にも反映されていて、その金額は小さくありません。ターミナルケア業務に積極的に取り込むことは、訪問看護ステーションの経営にも良い効果をもたらします。

ターミナルケアに力を入れるときに気を付けること

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もし管理者が「これからはターミナルケアに力を入れよう」と決意したとき、真っ先に取り組むべきことはスタッフの教育です。全スタッフが「人の死を扱うことになる」ことを覚悟する必要があります。

死を軽んじることはもちろん許されませんが、訪問看護師が必要以上に死を恐れていては業務に支障をきたします。語弊を承知で言うと「プロとして死に慣れる」必要があります。

さらに、通常の訪問看護では利用者へのケアが業務のメインになりますが、ターミナルケアにおいては家族へのケアがメインになることがあります。というのも、お看取り期間に入ると、患者へのケアは、水分補給や口腔ケアだけになることがあります。しかしこの時期こそ、家族は訪問看護師の支援を必要とします。

例えば家族が「やっぱり自宅で看取るのはやめて、いますぐ病院に連れて行く!」と言った場合でも、訪問看護師は対応できるようにしておかなければなりません。

もしくは、最期の最期になって家族が「このまま死なせたくない、病院に連れて行く」と言わないように、綿密な準備をすることも必要になるかもしれません。というのは、自宅でお看取りすることを決めていた家族が、急に考えを変えて救急搬送を望むのは「事前に聞いていた亡くなり方と違う!」と感じたからです。

死が絶対に避けられないことは家族も承知していますから、重要なのは「納得」できるかどうかです。訪問看護師が事前に「最期は息が荒くなるので苦しがっているように思えますが、それを乗り越えると安らかに眠ることができます」と説明することが、平穏な死を迎えるカギになることもあるのです。

お看取りの仕事が増えると、良い意味でも悪い意味でも「慣れ」が生じます。スタッフは常に「死を仕事にしている」という意識を持っていないとなりません。

ターミナルケア加算は約20,000円にも

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訪問看護のターミナルケア加算は、死亡日と死亡日前14日以内に2日以上ターミナルケアを行った場合、約20,000円が加算される制度です。つまり、ある2週間の間に2日の訪問看護を行い、その2週間の最終日に利用者が死亡した場合、その2日分の訪問看護の報酬に加えて約20,000円がもらえる、ということです。

通常の「30分以上1時間未満」の介護報酬が約8,100円ですので、ターミナルケア加算の額の大きさは際立ちますが、普通に訪問介護をしているうちに利用者が亡くなっただけではこの加算はもらえません。「14日以内に2日以上のターミナルケア」以外の要件は、次の通りです。

●「24時間連絡体制」を確保していて、必要な訪問看護を実施できること

●主治医と連携しターミナルケア計画を作り、利用者と家族の同意を得ていること

●ターミナルケアの内容を訪問看護記録書に記載すること

●対象となる利用者は「要介護1、2、3、4、5」の人だけで「要支援1、2」の人は対象外

24時間連絡や緊急時対応にも加算がある

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ターミナルケア加算を取るには「24時間連絡体制」を整えておかなければなりませんが、これは利用者や家族が「訪問看護師に相談したい」と思ったときに、24時間連絡できるようにしておかなければなりません。

訪問看護ステーションが具体的に行うことは、代表電話から「当番用携帯電話」に転送できるシステムを導入し、利用者や家族がその電話番号にかければいつでも必ず誰かが出るようにしておくことです。通常の営業時間が終了した後は、スタッフが持ち回りで「当番用携帯電話」を自宅に持ち帰ることになります。

さらに、緊急時であれば夜中でも利用者宅に駆けつけることができる「24時間対応体制」も整えておく必要があるでしょう。現場では「オンコール当番」と呼ばれたりします。オンコール当番は終業時刻になれば帰宅できますが、翌朝出勤するまでは、緊急訪問に備えておかなければならないのです。

ちなみに緊急対応したときは「緊急時訪問看護加算」という報酬ももらえます。これは緊急対応した月に約5,400円が加算されます。

「増収」はまだあります。ターミナルケアや緊急時訪問看護などを多く行っている訪問看護ステーションは「看護体制強化加算」として1カ月約3,000円が支給されます。

褥瘡ケアなどを行うと特別管理加算も

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ターミナルケアやお看取りに強い訪問看護ステーションは、それ以外の「難しい看護」も得意にしているところが多いようです。逆にいえば、多くの「難しい看護」を上手にこなしている訪問看護ステーションは、ターミナルケアやお看取りが上手である、ということです。

そして当然、「難しい看護」を行うと報酬が増える仕組みになっていて、それを「特別管理加算」といいます。この加算が取れる利用者は、悪性腫瘍患者、気管切開している患者、人工肛門の患者、そして重症な褥瘡の患者などです。こうした患者への訪問看護を行うと、毎月1人1回、約2,500円または約5,000円が加算されます。

売上が伸びている訪看ステーションは「ちゃんとしている」

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加算の仕組みを理解すると、「厚生労働省は訪問看護の仕事を良く分かっている」と感じると思います。大変な仕事の単価は高く設定されていますし、加算を取るための条件をクリアすることは容易ではありません。

売り上げや利益を上げている訪問看護ステーションは、ただ儲けに走っているのではなく「必要とされている訪問看護をしっかりと行っている事業所」といえるのではないでしょうか。

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