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訪問看護ステーションの管理者さん、お宅は「開設後、数年以内に休止・廃止となる」事業所ではないですか?

冒頭から大変失礼な質問をして申し訳ありません。しかし「開設後、数年以内に休止・廃止となる訪問看護ステーションがある」と危機感を募らせているのは、他ならぬ厚生労働省なのです。

訪問看護ステーションの経営を難しくしている要因は、仕事の報酬が銀行口座に入金されるまでに2~3カ月かかる「資金繰りが難しい仕組み」です。

(資料:厚生労働省「アフターサービス推進室活動報告書Vol.15:2014.3~6月」)

1万円分の仕事をしてもすぐにもらえるのは1000円だけ

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訪問看護ステーションの報酬は、①介護保険から支払われるものと、②医療保険から支払われるものと、③利用者の自己負担の、大きく3つあります。その中で経営の柱になっているのは①ですので、この「おカネの流れ」について解説します。

訪問看護師が利用者宅で行った看護は、書類上は「単位」という数字で表されます。1単位は10円から11円40銭まで幅があります。都会ほど単位当たりの金額が高く、地方に行くほど安くなります。

例えば、利用者宅で1時間の看護を行えば1,117単位ですので、その報酬は11,170~12,734円となります。管理者は「訪問看護師に1時間仕事をさせたときの訪問看護ステーションの売り上げ」は「ざっくり1万円ほど」と覚えておきましょう。

市町村と国保連で書類のやりとりをしているから時間がかかる

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この1万円のうち、1割に当たる1,000円は、仕事をした月の月末に利用者からもらえます。つまり、1,000円はすぐに回収できます。問題は残りの9割です。ここでは話を単純化するために、自己負担が2割の人や、要支援の方のケースは割愛しています。

結論からいいますと、1万円のうちの9,000円は、看護をした日から2~3カ月後になります。なぜこんなに時間がかかるのかというと、おカネを支払うところとおカネをチェックするところが別だからです。

訪問看護師が行った仕事の報酬の9割を支払うのは「市町村」ですが、訪問看護ステーションから請求書を受け取ったり、その請求書が正しいかどうか「審査」したりするのは「各都道府県にある国民健康保険団体連合会」です。長い名称なので「国保連」と呼ばれています。市町村と国保連の間で書類のやりとりを行っているのですから、時間がかかるのは当然といえば当然なのです。

経営をさらに揺るがす「ヘンレイ」と「サテイ」

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管理者は常に「スタッフの給料は働いた月か働いた月の翌月に支払わなければならないが、その財源は働いた月の2~3カ月後」ということを覚えておいてください。というのも、商品を扱う小売店は「仕入れで支払ったおカネ」と「売って手に入れたおカネ」を意識しやすいのですが、訪問看護という「物体として残らないサービス」を提供していると、支払いと売り上げのタイムラグを忘れてしまいやすいからです。特に軌道に乗っている訪問看護ステーションの管理者はこのことを忘れがちです。

なぜタイムラグを意識しなければならないかというと、「支払いが2~3カ月遅れること」より恐い「返戻(へんれい)」「査定(さてい)」があるからです。

つまり、国保連に請求した金額が、必ずもらえるとは限らないのです。先ほど、国保連では「訪問看護ステーションから届いた請求書を審査している」と解説しました。何を審査しているかというと、「本当に訪問看護サービスを提供しているか」「ケアプランの内容を超えた過剰サービスは行っていないか」といったことです。

国保連が「この請求書はちょっとおかしい」と感じたら、訪問看護ステーションへの支払いをストップまたは減額することができるのです。支払ストップのことを「返戻」といい、減額のことを「査定」といいます。

訪問看護ステーション側が、「この返戻とこの査定はおかしい」と主張する機会は設けられていますが、そのようなやりとりをしている間、おカネは入金されません。しかも返戻や査定を覆すには証拠を示す必要があり、この事務作業量は小さくありません。

おカネが入ってこない上に、管理者が事務に忙殺されるのです。訪問看護ステーションの損失は相当大きくなります。

介護報酬を受け取る権利って売れるの?

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「困っている人がいればビジネスになる」という原則がありますが、介護報酬を受け取る権利を買い取ってくれる業者が存在します。介護報酬を受け取る権利のことを「債権」といいますが、訪問看護ステーションが「介護報酬債権」を売ってしまえば、2~3カ月待たずに現金が入手できます。資金繰りに困った訪問看護ステーション向けのサービスといえなくもありません。

「いえなくもない」と言葉を濁しているのは、あまり積極的にすすめられない仕組みだからです。「介護報酬債権」の買取業者は、「介護報酬債権」を売る訪問看護ステーションから手数料を取ります。つまり訪問看護ステーションとしては「確実に売り上げは減る」仕組みなのです。

しかも、ある月の資金繰りが悪いと、翌月も悪い可能性があります。そうなると、また「介護報酬債権」を売らなければならなくなります。そうなると「売り上げはもっと減る」ことになります。

ですので、介護報酬債権買取業者の利用は、

①本当の本当に困ったときに、

②「1回だけしか使わない」という覚悟のもとで、

③同時に経営状況を見直す、または専門家に経営をみてもらう

ときに限定した方がよいでしょう。

経営の素人が経営できないわけではありませんが…

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訪問看護ステーションは、常勤換算で最少2.5人で開設できます。つまりある看護師が、他に2名の看護師を集めれば晴れて社長になれるのです。日本で最も簡単にスタートできるビジネスのひとつです。

それだけにライバルはたくさんいます。つまり、始めるのも簡単ですが、倒産するのも簡単です。しかも厚生労働省は今後さらに、診療報酬と介護報酬を下げる可能性もあります。訪問看護ステーションの管理者は経営の素人でも就任できますが、管理者を続けるには経営の知識は必ず必要になるでしょう。

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