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訪問看護の業務は「医師が書く訪問看護指示書から始まる」ということを知らない訪問看護師はいないと思います。しかし「指示書の世界」はかなり複雑で、詳しく知っておかないと、せっかく仕事をしたのに報酬がもらえない、という事態になりかねません。

そこで「訪問点滴と指示書の関係」についてみてみます。訪問点滴は難易度が高い訪問看護業務のひとつなので、これをしっかり理解すれば、暗黒のように感じていた「指示書の世界」が見渡せるようになります。

点滴用の指示書があるのはなぜ?

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まずは実際の指示書を見てください。その一番上には「訪問看護指示書 在宅患者訪問点滴注射指示書」と書いてあることが分かります。つまり1枚の指示書は「訪問看護の指示書」と「訪問点滴の指示書」を兼ねているのです。

このことは「訪問看護における点滴は、その他の訪問看護業務とかなり異なる」ということを意味しています。さらにこの指示書には「訪問看護指示期間」とは別に「点滴注射指示期間」を記載する欄がありますが、これは「訪問点滴を実施する期間は厳格に管理する必要がある」からです。

ちなみに「点滴注射」とは「点滴と注射」という意味ではなく、「点滴セットを使って行う注射」という意味です。つまり「点滴注射」とは「点滴」のことです。

どうして訪問点滴が「特別扱い」されているかというと、点滴は本来は病院やクリニックで行うものだからです。以前は「点滴を必要とするほどの症状なら、自宅で寝ていないで早く病院にかかりなさい」と考えられていたのです。

ところが国は「在宅医療=訪問看護が活躍できる医療」を推進しようと考え始めました。そこで法律を変えて点滴を自宅で受けられるようにしたのです。つまり最近になって新たに、訪問看護師が訪問点滴を行える仕組みが出来上がったのです。

訪問点滴を行うときに必要な指示書とは

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患者が自宅で受けられる訪問点滴には大きく分けて2つあります。

①水分、電解物質、糖質、アミノ酸などの補充や、抗生物質の投与

②抗がん剤や麻薬などいわゆる「強い薬」の投与

なぜ2つに分かれているかというと、②の訪問点滴をする訪問看護師に、相当なスキルを要求するためです。

医師は、抗がん剤や麻薬を訪問看護を使って在宅で患者に点滴投与しようと考えた場合、スキルを持つ訪問看護師がいる訪問看護ステーションに依頼しなければならないのです。訪問点滴の指示書を書く医者は、訪問看護ステーションの「力量」をある程度把握しておかなければならないということです。

指示書は報酬=おカネに直結している

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また指示書が、訪問看護ステーションの売り上げに大きく影響することがあります。

訪問看護師が訪問看護をすると、訪問看護ステーションに報酬が振り込まれます。その金額は「30分以上1時間未満なら約8,140円」などと決まっていて、これを「基本の報酬」といいます。

訪問点滴は「特別な処置」なので、この「基本の報酬」に「特別管理加算」が加わることがあります。訪問看護ステーションの売り上げが増えるのです。訪問点滴を週3回以上行うと、特別管理加算は月額約2,500円となります。

ところが、訪問点滴の回数が週2回以下だと、特別管理加算はもらえません。2回と3回には、ゼロ円か月額約2,500円という大きな違いがあるので、回数はとても重要です。なので「在宅患者訪問点滴注射指示書」には「点滴に関する指示(投与薬剤・投与量・投与方法等)」という欄があるのです。

ここに「週2回以下」と書くか、「週3回以上」と書くかは、医師の判断にゆだねられます。これが「指示書は訪問看護ステーションの売り上げに影響する」という意味です。

指示書は「発注書+仕様書」

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訪問看護ステーションは「他事業所との強力な連携」が求められる「独立した事業所」といえます。「独立」はしているのですが、自分たちで「顧客=患者、利用者」を獲得することはまれで、医療機関や居宅支援事業所といった「他事業所」からの「発注」がなければ仕事が始まりません。

訪問看護における「指示書」は、一般ビジネスの世界では「仕様書と発注書」に該当します。

仕様書とは、仕事を発注する人が「こういう仕事をしてください。この指示に従ってください」ということを書いた紙です。仕事の受け手は、仕様書がないと仕事を進められません。

発注書とは、仕事を発注する人が「それでは正式に仕事を発注します。●月●日までに仕様書通りの仕事が出来上がったら●円を支払います」ということを書いた紙です。発注書がなければ仕事が終わったときに「請求書」を発行できません。

つまり「指示書」には「医療情報」に加えて「コスト情報」も盛り込まれているのです。

おわりに

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最近は大きな病院でも倒産することが珍しくなくなり、医療の現場でも「コスト意識」は広がっていますが、それでも医療従事者は一般のビジネスパーソンに比べると「コスト意識が低い」と言われています。

病院のような大きな組織であれば、「医療従事者は医療を、経営者と事務員は経営とコストを」と分業が可能ですが、訪問看護ステーションは小さな組織であることが多いためそのような役割分担は難しいのではないでしょうか。

訪問看護ステーションの全スタッフが「指示書の中にもコストの要素が含まれている」と意識することが理想でしょう。

 

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