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訪問看護ステーションにお勤めの看護師の中に「やっている仕事は同じなのに、なぜ診療報酬と介護報酬があるの?」と疑問に思っている方はいらっしゃいませんか。「いまさら聞けない」「調べてみたけど難しい」という方に、この2つの報酬の違いを分かりやすく解説します。

 

答えを先に言ってしまうと「報酬というおカネを出す財布が違うから」となります。「病院や診療所内で行われる看護」は医療保険という1つの制度で運営されているのですが、「訪問看護」は医療保険と介護保険の2つの制度で運営されているのです。

診療報酬(医療保険)とは



診療報酬とは、医療保険からもらえるおカネのことです。訪問看護は「看護」なので、行う業務は、医師の指示を受けた「医療」になります。訪問看護師が医療を行うので、訪問看護ステーションは医療保険の診療報酬がもらえる――とはならないのです。ここがとても複雑なのです。

 

ただこれは「用語」の問題です。 訪問看護の分野において「診療報酬」という言葉は、医師による「医療行為」にしか使われません。訪問看護における「診療報酬」のうち、最も重要なのは「訪問看護指示料」ですが、これは「医師が訪問看護ステーションに対し『この患者さんの自宅に訪問看護してください』と指示をしたときに支払われるおカネ」です。医師に支払われる報酬です。

 

つまり、「診療報酬という言葉は、訪問看護ステーションの看護師には関係ない」とざっくり覚えておいてもらってOKです。 では、訪問看護ステーションが受け取る「医療保険からのおカネ」には何があるかというと、最も重要なのは「訪問看護療養費」です。この名称のポイントは「療養」が付いていることです。後から解説する「介護報酬」では、この「療養」が外れた「訪問看護費」が登場します。

 

さて、この「訪問看護療養費」ですが、訪問看護ステーションがこの費用を請求できるのは、次の「お客さん」のところに訪問看護をしたときです。

・40歳未満の人
・40歳以上65歳未満で16の特定疾病患者でない人
・40歳以上の16特定疾病患者
・65歳以上の要介護者
・要支援者でない人

「16の特定疾病」についてはここでは触れませんが、ここでは「特別な16種類の病気」とだけ理解しておいてください。 医師が「この患者には訪問看護が必要だ」と判断すると、訪問看護ステーションに指示書が届き、訪問看護師はその「お客さん」の自宅にいって看護をします。その仕事に対する報酬が「訪問看護療養費」となります。

介護報酬(介護保険)とは

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介護報酬は、介護保険という「財布」から、訪問看護ステーションに支払われるおカネです。訪問看護における介護報酬で最も重要なのは「訪問看護費」です。 ここでの「お客さん」は、介護保険の要介護1、2、3、4、5の人と、要支援1、2の人ですが、ここでは話を単純化するために、要支援1、2の人の解説は省きます。

 

「要介護1、2、3、4、5」の人とは、次の条件を満たした人です。

・65歳以上の人で市町村が「身体・精神の障害で6カ月にわたって常時介護を必要と見込まれる人」と認定した人
・40歳以上65歳未満の人で16特定疾病患者

医師が「この患者には訪問看護が必要だ」と判断すると、訪問看護ステーションに指示書が届き、訪問看護師はその「お客さん」の自宅にいって看護をするのです。その仕事の報酬が「訪問看護費」となります。

訪問看護療養費と訪問看護費を扱っていく上で気をつけるべき点

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「訪問看護療養費」と「訪問看護費」の2つで気を付けるべきことは、「要介護1、2、3、4、5」の人には「介護保険(訪問看護費)」が優先して使われる、ということです。つまり「訪問看護ステーションの場合、原則、介護保険(訪問看護費)を使うことが多い」と覚えておいてください。

 

しかし物事を理解する上で「原則」より難しいのは「例外」です。訪問看護では例外的に「がん末期などの患者」が「要介護1、2、3、4、5」の場合は、医療保険が優先して使われます。つまりこうした患者には「訪問看護療養費(医療保険)」が訪問看護ステーションの収入となるのです。

 

「がんの末期患者など」には、次の病気があります。

・末期の悪性腫瘍
・多発性硬化症
・重症筋無力症
・スモン
・筋萎縮性側索硬化症
・脊髄小脳変性症
・ハンチントン病
・進行性筋ジストロフィー症
・パーキンソン病関連疾患(条件あり)
・多系統萎縮症(条件あり)
・プリオン病
・亜急性硬化性全脳炎
・ライソゾーム病
・副腎白質ジストロフィー
・脊髄性筋萎縮症
・球脊髄性筋萎縮症
・慢性炎症性脱髄性多発神経炎
・後天性免疫不全症候群
・頸髄損傷
・人工呼吸器使用者

これらの病気をすべて覚えておく必要はありませんが、少なくとも「これだけ重い病気を抱えている人は医療との関係が深いので、介護保険を介入させず医療保険1本でいく」ということは覚えておいてください。

診療報酬も介護報酬も改定が多くて困ります。どうやって調べればいいですか?

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訪問看護ステーションの看護師が頭を抱えるもうひとつの難題は「改定」ではないでしょうか。医療保険の診療報酬にも改定があるように、介護保険の介護報酬にも改定があります。 改定とは、厚生労働省が「介護保険は今後こうします」と宣言するようなものです。これを理解していないと「厚生労働省の意向にそぐわない訪問看護」をしてしまうことになるので注意が必要です。

 

介護保険制度は、3年ごとに改定を行います。2016年現在の介護保険制度は、2015年に行われた「改定」で示された「第6期介護保険事業計画」にのとって進められています。 ですので次の改定は、2018年に行われます。

 

2015年度の改定の目玉は、①要支援1、2の人へのケアは市町村が主体となる、②特別養護老人ホームに入居できるのは、原則要介護3以上に限る、③所得が多い利用者の自己負担額をこれまでの1割から2割に増やす――の3点でした。

 

では次回2018年の改定の情報は、どうやって入手したらいいでしょうか。方法は主に2つあります。 1つめは、訪問看護ステーションがある市町村または都道府県の担当者に聞くことです。行政から得られる情報は確実です。行政職員とは日頃からコミュニケーションを取っておきましょう。ただ、都道府県市町村の職員は、厚生労働省が決めたことしか話さないので、訪問看護ステーション側が「本当に知りたいこと」は聞きだせないかもしれません。

 

2つめの情報源は、ネットです。グーグルで「介護保険」「訪問看護」「2018年度」「改定」で検索すると、さまざまなサイトが紹介されています。中には個人のブログもありますが、そういったものも実はとても参考になります。 また、改定に近づけば近づくほど、情報は濃厚にそして確実になっていきますので、少なくとも月1回くらいは「ググり」ましょう。

診療報酬も介護報酬も理解すればあなたもスーパー訪問看護師に!

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訪問看護ステーションは大きく、病院や診療所などが開設している場合と、看護師が独立して開業している場合の2種類に分かれます。特に後者の訪問看護ステーションは、事業所の規模が小さく事務員のスキルが高くないことが多いと思います。そうなると、看護業務を行っている看護師が、さまざまな事務処理をしなければならないでしょう。 医療や看護、ケア、コミュニケーションには自信がある看護師も、法律や行政機関との折衝は高いハードルになるかもしれません。

 

また今回のテーマになった「診療報酬」と「介護報酬」は「おカネの話」なので、経理や経営にも直結します。 こうした知識は一朝一夕には獲得できないものですが、これを乗り越えると「スーパー訪問看護師」になれることは間違いありません。法律、行政、報酬、経理、経営に関するスキルアップは、直接キャリアアップにつながるでしょう。

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