訪問看護ステーションの運営において、経営者が頭を悩ませることのひとつは『看護師の確保』ではないでしょうか?どんなにいい立地を確保できて資材が用意できたとしても、そもそも看護師がいないと何も始まりません。

せっかく入所してくれたけど、数ヶ月のうちに退職してしまったという看護師も少なくないと思います。

今回は、訪問看護ステーションの存続に関わる『看護師の確保』のコツについて説明していきたいと思います。

訪問看護師ってどのくらいいるの?需要はどうなっていく?


まずは訪問看護師が全国にどのくらいいて、今後その需要はどう変化していくかについて述べます。
平成28年末現在では、訪問看護師の数は全国で約3.5万人いて、看護師全体の約3.7%となります。

訪問看護ステーションの数自体もここ数年で増え続け、訪問看護師の数も増えつつあります。
また国の医療政策として、2025年時点の病床数を現在よりも16万~20万床減らす目標を示しました。手厚い医療を必要としていない30万~34万人を自宅や介護施設での治療に切り替えて、高齢化で増え続ける医療費を抑えるためです。

それに伴って、今後はさらに在宅医療や介護の需要が拡大していき、その受け皿としての訪問診療や訪問看護の増加が必要となってきます。

採用力と定着率UPが最重要な課題!

今後ニーズが高まっていく在宅医療の一端を担うためには、採用力と定着率が経営のカギを握ります。

もし、看護師をしっかり採用できて定着率も上がってきたら、所属看護師数が安定して伸び続けます。そうすると、対応可能な症例の幅が広がったり、24時間体制をとることができたりして、それによって利用者の数もどんどん伸びていきます。すると資金力も高まり、看護師への待遇もより厚いものとなり、それがさらに採用力の底上げとなっていくのです。

こうして採用力と定着率の向上が、経営に相乗効果をもたらしてくれるのです。

逆に、採用力と定着率の向上が図れない場合、所属看護師数を増やすことができず、対応可能な症例の幅も広がらないため、利用者の数を増やすことはあまり見込めません。それどころか、もし利用者の数が増えてしまうと、看護師1人あたりの負担が高くなり、教育やマネジメントといった看護師育成に時間を割くことができず、看護の質が低下し、職場環境としてはあまりよくないものとなるでしょう。そうすると、資金力も低下して採用費をかけられず、結果として採用数が増えないといった悪循環に陥ることもあるわけです。

採用・定着施策の考え方の基本はたったこれだけ!

では、訪問看護ステーションの健全な経営を目指すための採用力の向上と、定着率の向上にはどんな施策が考えられるのでしょうか?

これは、それぞれの訪問看護ステーションごとに、特徴や抱えている問題が違うのと同様で、ステーションごとに適切な施策は変わってきます。そのため、答えはこれです!と一概に示すことができないのです。また、施策を実行したからといって一発でうまくいく施策を見つけ出すことは困難で、さまざまな角度でいろんな施策を繰り返すことで、適切な施策を探し出す必要があります。

そこで重要になってくる考え方が、まずは「採用から定着までの流れを分解する」ことです。

そうすることで、「どこを改善する施策であるか?」「どこの優先順位を上げて改善すべきか?」などを整理しながら施策を企画していけます。
このように、問題が発生したときに解決方法を見出すための「考え方」を身につけるというのがポイントになります。

例えばどんな問題に対してどう対処していくのがベストなのか?
少し例を挙げてみましょう。

【例1】そもそも応募数が少ない。このときは何に取り組めばよいか?
まず、応募にどんな方法を使っているか振り返りましょう。もしかしたら、他にも応募の経路はあるかもしれません。応募につながる方法は他に何があるのか、とりあえず全て洗い出しましょう。
例えば、人材紹介会社しか使っていない場合、ほかにもハローワーク求人や自社サイトでの募集、さらには社員に紹介してもらうなどの方法が考えられます。

また、いきなり応募というのもなかなかハードルが高いので、職場見学という窓口を用意するのもひとつの施策だと思います。

【例2】せっかく採用できたのに、3ヶ月後には離職した。この場合あなたならどうする?
訪問看護が初めてであるという職員の場合に、こういった離脱が起きる可能性は高いです。
この場合は、入職前の仕事のイメージと入職後の実際の仕事でギャップがあったという理由が考えられます。この場合は、内定を出す前に一度同行訪問や職場見学などを通して、実際の訪問看護を知ってもらうというステップを入れると良いかもしれません。

【例3】過去3年間の採用実績を見たところ、6ヶ月後から1年以内の離職率が高い。
あなたならどうする?
こういったケースでは、看護師がそのステーションでのキャリアステップがしっかり整備されていないことに気づき、定着しなかった可能性があります。この場合は、キャリアラダーや賞与見直しなどを実施してみるのもひとつの方法です。

 

訪問看護未経験の人を採用するのは大丈夫?


訪問看護が未経験で、訪問看護師になってみたいという人は少なからずいると思います。また、病院での経験をしっかり積んでいても、訪問看護となると求められるものが違っていて、新人としてのスタートを切ることになると思います。
教えられる人がいても、とてもじゃないけどそんな時間がないため、訪問看護の経験がある人をできるだけ採りたいと思うステーションがほとんどでしょう。

だからといって、経験者ばかりが応募してくれるとは限りません。また、訪問看護の経験者が入所しても、スキルアップのための環境が整っていないと定着率にも影響が出てしまう可能性があると先程述べました。そのため、訪問看護師の育成プログラムは必要になってきます。

独自で訪問看護師の育成プログラムを作るのはとても大変ですが、ここで1つご紹介したいのが公益財団法人日本訪問看護財団が作成した『訪問看護e-ラーニング』です。図表や写真・動画を用いた教材で、訪問看護の経験がない人でもわかりやすいようになっています。
こちらを活用して、訪問看護未経験者の基礎知識のフォローをしていくという方法もよいでしょう。

また、入職後しばらくは同行訪問を行うことが多いです。東京都の調査によると、同行期間を「1 ヶ月以内」としている訪問看護ステーションが半数以上と最も多いようです。そのため、新しく入職してきた職員がいれば、少なくとも1ヶ月は同行訪問することが必要ですが、経験や本人の希望によっては1ヶ月よりも多く同行訪問を行い、自信を持てるようになるまで期間を調整することも大切です。

一人で訪問できるようになっても、不安はつきものです。いつでも分からないことや不安なことを相談できるプリセプターのような制度を設けるのも良いでしょう。
このような体制が整っていれば、訪問看護の経験がない人でも「訪問看護をやってみたい」という気持ちがあれば、新たに仲間に加わって十分に力を発揮してくれるようになるでしょう。

実はとても大事?管理者の確保・定着化!

新しく入ってきた看護師をしっかり養成する体制をつくるのが大切だと述べましたが、ここに大きく関わってくるのはやはり『管理看護師』です。

一般的に訪問看護ステーションの管理者は、プレイングマネジャー(管理職をしながら自身も訪問に行く)として業務に取り組んでいて、規模が大きくなるにともない管理業務の負担が増えていきます。また、普段は看護職員が利用者宅訪問のため外出するので、管理者がコミュニケーションの取れる時間は限られます。そのため、管理・指導する時間を十分に確保できないことがあります。

しかし、管理者が新人への教育体制を構築するといったことは重要です。そのため、管理者がプレイングマネージャーというよりも、しっかりと管理業務に集中できる体制にする必要があります。

それによって、看護職全体のスキルと質の向上を図ることができ、結果的に利用者獲得や資金力の向上、そして採用力の向上といった良い結果をもたらします。

おわりに

ここまで、看護師の採用力と定着率の大切さと施策について説明しました。
最も大切なことは、「採用から定着までの流れを分解」してみて、それぞれの段階で「何が問題か」「他の方法はないか」などを考えるプロセスです。

各々のステーションで起きている問題はさまざまですが、ひとつの考え方をマスターすることで、あらゆる問題を解決する糸口となるでしょう。

より多くの看護師が自信をもって楽しく働ける、そんな訪問看護ステーションが全国に増えていくことを願っています。

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