みなさんは退院調整という言葉を聞いたことはありますか?

病院で勤めていると、どうしても入院中の治療のことで精一杯で、なかなか患者さんが退院するときのことをイメージできる人は少ないと思います。退院調整というものはなんとなく知っているけど、実際何のためにやっていて、どうやって進めていくのがいいのか?

今回は退院調整看護師の目線で詳しく説明していきたいと思います.

◆退院調整・退院支援ってなに?

退院は、病を抱えた患者さんや家族が病と共に新しい生活の一歩を踏み出す時です。それに比べて入院してきた時は、患者さんも家族も治療のことで頭がいっぱいです。

急性期病院だと入院期間が数日〜数週間と短く、気がつけばもう退院!という状態になります。また、完治してもとの生活にそのまま戻ることができればよいですが、必ずしもすべての患者さんがそのように退院していくのは困難です。

そのため、入院前には思いもしなかった治療の介入や、定期的な医療職のフォローが退院後に必要になってしまう人もおり、その人たちには何かしらの支援が早急に必要になってきます。

入院前と退院後の患者さんや家族の生活のギャップを埋めること、それがまさに退院調整・退院支援なのです。

◆退院調整・退院支援が必要な患者さんとは? 

先ほど述べたように、すべての患者さんに退院後も支援が必要とは限りません。
では、どのような患者さんにとって退院後も支援が必要なのでしょうか?

また退院後の支援が必要かどうかは、どの段階で判断するのでしょうか?
それらを判断するために用いられるものが「退院スクリーニングシート」というものです。
これは、早期に支援が必要な患者さんを特定し、退院支援を開始するためのチェックリストです。

入院してきた患者さん・家族に対して病棟看護師が、「医療面」・「介護面」の両視点から退院支援・退院調整が必要かどうかをアセスメントします。それによって、治療の場から生活の場へ移行するために必要な支援を明らかにします。

このスクリーニングで抽出された課題が、退院支援・退院調整の流れにつながり、個々の状況に応じて取り組めるようになっています。

東京都退院支援マニュアルより引用

 【具体的な退院スクリーニングシートの使い方】

(1)Ⅰの項目に1つでもチェックが付いた場合、退院支援対象者とみなします。
(2)退院支援対象者の場合のみ、次にあるⅡの項目をチェックします。Ⅱでチェックが入った項目が、患者さんにとって退院支援・退院調整が必要な項目になります。
(3)Ⅱでチェックが入った項目を矢印に沿ってⅢに進めると、具体的な支援・調整内容が記載されています。

このように、入院した直後に退院支援の必要性をスクリーニングすることで、早期から必要なサービスや支援について考えることができます。逆にこのスクリーニングが遅れてしまったら、あっという間に退院の時期を迎えてしまい、退院までに必要なサービスを受けられる体制が整わないといったことも起こりうるわけです。

そのため、退院調整において大切なことは、入院目的や入院することになった原因疾患・病態から、退院時の状態をざっくりと早期から予測し、必要な介入を計画して実施・評価することです。

ここまでで、退院スクリーニングシートを活かして患者さんや家族にとって必要な支援を提供するまでのイメージは湧いてきましたか?

次の項目からは、実際にスクリーニングの結果を活かしてどのような流れで退院調整が進んでいくのかを説明します。

退院調整は誰がやるの?


退院スクリーニングシートは病棟の看護師が記入すると述べましたが、実際に中心となって退院調整や支援を進めていくのは誰かというと、退院調整看護師です。

 

退院調整看護師は病棟の看護師とはなにが違うのかというと、その名のとおり退院調整を専門におこなっていくだけではなく、退院支援に関する診療報酬を確保するために必須の人材なのです。

詳しくは次の記事で紹介しますが、「退院支援加算」という診療報酬を得る条件として配置しなければならないと規定されているのが退院調整看護師なのです。

退院調整看護師の役割とは?入院から退院までの流れ

では退院調整看護師は、患者さんが入院してから退院するまでどのような関わり方をしているのでしょうか?

まず、患者さんが入院してきたら上で述べたように病棟の担当看護師が退院スクリーニングシートで退院支援が必要かどうかを評価します。退院支援が必要な患者さんには退院支援計画書を作成し、記載可能な部分を記載します。

次に退院調整看護師は、病棟看護師の記載した退院支援計画書を受け取り、それをもとにさらに患者さんの情報収集をしていきます。身体面はもちろん、精神面・社会面においても正確な情報を把握をする必要があります。そのためにはカルテ上のデータを見るだけではなく、実際に患者さんや家族と対面し、しっかりとコミュニケーションをとり信頼関係を構築していくことが求められます。

密なコミュニケーションによって得られた情報をもとに、今度は患者さんにはどんな問題点があって、それを解決するためにどんな社会的・人的資源が必要なのかを考えていきます。

治療方針や看護方針が決まって、退院後の計画もある程度固まったところで、「退院調整カンファレンス」を開きます。参加者は主治医・受け持ち看護師・退院調整看護師・社会福祉士・家族、可能であれば患者さんにも参加してもらいます。また、リハビリを必要とする患者さんの場合は、理学療法士も参加します。

このカンファレンスでは、「患者さんや家族にとってどんなことが心配で、何が必要な支援なのか、退院後の生活に何を望んでいるのか?」などを話し合います。

カンファレンス後に、具体的な支援がスタートします。地域の訪問看護ステーションとの連絡、訪問介護や訪問入浴など在宅支援サービスの調整、医療処置に伴う衛生商品やレンタル医療機器などの手配です。

このように退院調整看護師に求められる役割は多大ですが、社会福祉に関することはMSWが担当したり、地域の医療機関や訪問看護ステーションとの連絡窓口は地域連携室という事務局が担っていたりと、他職種との連携で役割分担を行なっています。

このようにして、患者さんの退院後の生活を見据えて様々な方面との調整を行うのが退院調整看護師の仕事なのです。

退院調整看護師になるためには?


では、退院調整看護師になるには何か資格が必要なのでしょうか?
答えは、Noです。認定看護師や専門看護師のような特別な資格があるわけではないのです。

ですが、退院支援に必要な知識や具体的なスキルを身につけるために、各都道府県の看護協会などで『退院支援看護師の養成研修』を開講しています。

ほとんどの退院支援看護師の養成研修では、看護師として5年以上の業務経験と退院支援に関わった経験があり、病院長などの勤務先の施設長の推薦を受けた場合のみ参加できるようになっています。
このように、退院調整看護師には特別な資格は必要ありませんが、上記のような研修を受けることでスキルアップをして自信をつけていくことも可能です。

今後さらに高齢化が進み、退院後も支援が必要な患者さんがこれからますます増えていくと退院調整看護師の需要は高まってくると考えられます。

病棟での業務のみならず、院外の機関や在宅療養への橋渡しまでの支援を担うことのできるエキスパートな看護師を目指していくのもひとつのキャリアになってくるでしょう。

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