想像してみて下さい。あなたは訪問看護師で、患者さんのバイタルチェックの最中です。ご家族から「おしっこが出てなくて心配なの」と相談されました。患者さんは、ふっくらした体型で、お腹を触わっても、張っているのかどうかがよくわかりません。尿閉なのか、それとも脱水か。あなたはどのように判断し、対応しますか?

——今想像して頂いたことは、在宅医療の現場でよく直面する場面だと思います。尿閉だと思い導尿したらおしっこが出なかったり、脱水だと思い導尿しなかったら実は尿がすごく溜まっていたり…腹部のアセスメントは結構難しいですよね。

でも、もし簡単に尿閉か脱水か知ることができたら…とても便利だと思いませんか?
それを可能にするのがポケットエコーmirucoです。mirucoを開発・販売されている日本シグマックス株式会社の宮地さんと得野さんにお話を伺ってきました。

宮地 早紀さん (写真左) 医療事業部 医療商品企画開発課
得野 誠久さん (写真右) 医療事業部 営業推進課

◆エコーは患者・医師とのコミュニケーションを円滑にする

ー ポケットエコーmirucoを使うとどのようなメリットがありますか?

宮地さん ケアの教育と均質化・ケアの向上と医師との連携・患者家族とのコミュニケーションの3つがあると考えています。

1点目は、ケアの教育と均質化についてです。訪問看護は看護師さん一人でケアをしなくてはいけない場面が多く、その中で不安を感じることもあるでしょうし、管理者側もどういった過程でどのようなケアを看護師さんが行ったのか、目が行き届きにくいこともあります。その中でエコーがあると、画像で身体の状態がどうであるのか一目瞭然でわかりますし、それを結果として残せるので、特に新人の訪問看護師さんは、「エコー画像がこうでしたので、このようなケアを行いました」と報告しやすいですし、それに対して上司の方も指導しやすいというメリットがあります。


2点目は、ケアの向上と医師との連携に関して。実は腹部のアセスメントというのはベテランの看護師さんでもわかりにくかったりするようなのです。例えば患者さんが終末期になってくると、食事がどうだったのか、摂水がどうだったのか、ご本人から確認しにくいですし、ご家族も四六時中見ているわけではないのでお聞きすることが難しいのです。実際に、医師から腹部ケアの1つとして、「ガスと便のケアをして下さい」という指示があったので、看護師さんが「ケアの前にとりあえず」ということで、導尿をしたら尿が2000 mlくらい出たというお話を先日聞きました。

結局、お腹の張りの原因はガスや便ではなく、尿がそれくらい溜まっていたということなんですけど、医師が診察しても悩むくらい、腹部のアセスメントは難しいことがあります。このときエコーがあれば、尿はエコーでよく見えるので、パッと腹部に当てて「これは導尿が必要ですね」という判断がすぐにできたと思うんです。エコーによって正しい判断が迅速にできるというのは、ケアの向上に繋がります。


3点目は、患者家族とのコミュニケーションについてです。エコー画像があるとご家族へ説明する際に、ビジュアルで訴えかけることができるようになります。「こういう状態だからこのケアをしますよ」という説明をすると、ご家族としても受け入れやすくなるんです。

 

得野さん 特に2点目についてですが、エコー画像という客観的なものがあることで、医師との共通言語になるとお話される看護師さんがとても多いですね。

例えば今までは、お腹を触ってみて「ちょっと硬いと思います」といったように、自分の主観でしかお医者さんに伝えられなかったのが、エコーを使うことで「エコー画像はこちらになります。尿が**mlくらい溜まっていると考えられます」と客観的事実に基づいて報告できるようになって、「それじゃあ導尿しましょうか」といった指示をもらいやすくなるんですよ。

お互いの連携促進にも役立ち、医師側も看護師側もより安心できるようになるのではないでしょうか。

◆mirucoを使って実際に起こった現場の変化

ー ポケットエコーmirucoユーザーさんのエピソードを教えて下さい。

宮地さん 夜間訪問に入られていた看護師さんから、ご家族がトイレ誘導しても拒否して、夜間に失禁を繰り返している患者さんのお話を伺ったことがあります。その方にエコー画像を見せて「こういう状態ですから、トイレに行きましょうね」という説明をしたところ、トイレ誘導が円滑になって、最終的には尿失禁がなくなったそうです。尿失禁がなくなるとご家族がしなければならない処置も減りますし、ご本人も落ち込まなくなったそうで、とてもいいケアにつながったんですね。


もう1つは小児の在宅ケアを行っている訪問看護師さんから伺ったお話で、2年前からお母さんによるお子さんの導尿を開始されていたのですが、障害があるために意思疎通がうまくいかず、お子さんが泣いたら「おしっこ行きたいんだ。導尿しよう」という形でやっていたそうなんです。

でも、おしっこじゃないことで泣く場合もあって、お子さんの機嫌が悪くなったりしていたらしいんです。そこでこの訪問看護師さんが、エコー画像を見せて、「溜まっているから導尿するんですよ」という説明をしたら、「溜まったら導尿すれば良いんだ。泣いたとき、おしっこじゃないときもあるんだ」というお母さんの理解が進まれて、その後、ある程度の時間間隔で導尿するようになったそうなんですよ。

泣く度に導尿していたので、時間コストや物品のコストもかかっていたんですが、それが減ったそうです。そして何よりも、子どもとお母さんのコミュニケーションも深まり、2人のストレスも減ったとのことです。

得野さん コスト削減もあるのですが、お母さんが訪問看護師に対して信頼感を持つことができた点も大きいですよね。やっぱり母親ですから、「自分の子供のことは私が1番よくわかってる」という思いがあったはずなので。お母さんと訪問看護師の信頼関係を築くきっかけの1つになったんだと思います。

◆煩雑な調整は不要、基本は2つのボタンを押すだけ

ー ポケットエコーmirucoの使い方を教えて下さい。

宮地さん ポケットエコーmirucoでは、タブレットとプローブを使います。(初期設定後は)タブレットとプローブを接続するとすぐにmirucoの画面が起動します。プローブのタブレットへの付け外しで、アプリが自動的に起動もしくは終了しますので、現場ですぐ利用することができます。


エコーを使ったことがある方はご存知だと思うのですが、病院で使われるようなエコーはボタンがたくさんあって、技師さんが部位に合わせて感度やコントラストなどいろいろと調整しながら合わせるものなのです。


ポケットエコーmirucoは、体型ボタンと部位ボタンの2種類を調整してもらえれば、ある程度適切に見えるようになっています。膀胱を見たい場合は部位ボタンを「膀胱」に、肺を見たい場合は「肺」にして頂ければ、それぞれの部位に合った条件にエコー画像を設定できます。また、ある程度操作に慣れてきた方は「ユーザー1」「ユーザー2」というモードを使って、ご自身で好みの設定もできるようになっています。

他にも「深部」や「浅部」というモードもあり、医師やエコーを積極的に使っている医療者は色々なところを見て、治療やケアに役立てられないか楽しそうに使っています。体型ボタンでは「標準」「細身」「肥満」の三種類から患者さんの体型ごとに調整することが可能です。描出しながら「深度」「感度」というボタンで微調整したり、フリーズボタンを押すと画像がファイルマネージャーに保存されるので、後でチェックしたり、Wi-Fi環境下であれば離れた場所にいる医師や同僚スタッフに送信してその場で相談することもできます。


病院から在宅に移行される方が増えていて、今後もっと増えると予想されます。在宅の現場で診断ではなく判断に使えるエコーを広めたいと思っています。


片手で持てるコンパクトサイズのタブレット。下部にあるボタンをタップして簡単に操作が可能

◆まずは一度試してみませんか?

今回取材させて頂いた日本シグマックスさんでは、ポケットエコーmirucoのレンタルやリースも行っています。
ポケットエコーについてもっと詳しいことが知りたい方はこちらの本教育コースもおすすめです。ぜひ一度試してみて下さいね。

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膀胱のファントムをmirucoで見たときの画像。黒く見える部分が尿でバルーンが入っているのもはっきりと見える