現役の看護学生が新卒新人訪問看護師にインタビューをする企画です。

「経験不問」を採用条件に掲げるケアプロ訪問看護看護ステーション。そんなケアプロに2016年に入社した新卒訪問看護師1年目の小川奈美さんに、新卒で訪問看護の世界に飛び込んだ理由から、どのように新卒訪問看護師として訪問を行なっているのかなどのお話をしていただきました。

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小川奈美さん
2016年、島根県から単身で上京し、ケアプロ株式会社在宅医療事業部入社。新卒訪問看護師となる。

◆最初は、病院経験がないと訪問看護師にはなれないと思っていた

ー 小川さんの同級生はほとんど地元で病院就職されていると伺っています。上京して新卒訪問看護師という、人と違う進路を選択した理由を伺いたいです。

在宅に関心を持ったきっかけは、私の祖父母に置き換えて考えた時に、病院で最期の時間を過ごすのではなく、慣れ親しんだ家で最期を過ごしてほしいと思ったからです。そして、病院はあまり好きことができなくて嫌だというイメージもあったので、在宅での療養を支援することに関心がありました。

でも、私の出身の島根県では、「訪問看護」という言葉もあまり知られていませんでしたが、大学時代は、在宅ボランティアサークルに所属していて、ALSなどの難病を抱えた、言葉を話すことが難しい方に本を読んだりお話しをする、楽しい時間を持ってもらうような活動をおこなっていました。サークル活動の中で、在宅療養をしているご夫婦に会う機会がありました。奥さんがALSで寝たきりとなり、旦那さんが献身的に介護をされていました。家族の愛情や夫婦の仲の良さを感じて、在宅での看護により関心を持ったんです。

そんなこともあって、ゆくゆくは訪問看護師になりたいと思っていました。

でも、世間ではよく言われているように、「最初は、病院経験がないと訪問看護師にはなれない」と思っていました。そんな中、大学の先輩に「新卒で訪問看護師をやってみたら。」と勧めていただきました。

当時、島根県で訪問看護を立ち上げようという取り組みがありました。私の大学の先輩を含む若い訪問看護師3人が挑戦していて、その取り組みに今勤めているケアプロ訪問看護ステーション東京の方々が支援に入っていたんです。その大学の先輩の訪問看護師の紹介で、大学3年の春に、島根県でケアプロの在宅医療事業部の事業部長とお会いし、話をさせてもらいました。その時、「新卒でも訪問看護ができるよ。」と自信たっぷりに言われたんです。それがとても印象的でした。それから、大学3年の冬から4年の春にかけて悩みましたが、同級生のみんなは第一志望が病院でしたが、私は第一志望が在宅での訪問看護師になりました。千葉の訪問看護ステーションにも興味があり、見学に行きましたが、知り合いの紹介で安心もあったので、ケアプロに入社することを決めました。

大学4年の5月くらいという早い時期にケアプロに就職することを決めましたが、同級生は、病院をどこにしようか見学に行ったり、情報交換をしている姿を見る中で、自分は相談できる人がいなかったんです。どうしたらいいかわからない心細い部分は正直ありました。

ー 周りの人から反対されることはなかったですか。

周りの人には本当に恵まれていて、ほとんど反対されることはなかったんです。ただ、家族は新卒で訪問看護に挑戦すること反対はしていませんでしたが、とても心配していました。私の地元では訪問看護はまだ浸透しておらず、往診の先生と一緒に同行する看護師のことは知っているけど、看護師が単独で訪問することは想像がつかなかったようで、密室で何かあった時に一人では心配だったようです。上京することにも心配されましたね。私自身もずっと島根や地元で働くつもりだったので。だからどうして東京に行くのかと両親には言われました。

同級生には「本当に新卒で行くの?」と言われました。仲の良い子には、もともと何年か働いたら在宅で働きたいと話していたので応援してくれました。

一番心配していたのは先生たちから反対されることでしたね。担任の先生に進路の相談をしていたところ、担任の先生も在宅の先生も応援してくれたんです。直接止められることもなく、応援をしてもらって今に至ります。

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◆より良くしていこう、みんなで支えようとするケアプロの手厚い体制がありがたい

ー 1日の仕事の流れを伺いたいです。

日によって訪問件数や時間は違いますが、9時出社、18時退社です。午前は1~2件で、1日通して、3~5件のお宅を訪問します。

新卒1年目の今は、単独での訪問と先輩との同行訪問が半分半分くらいです。朝、9時に出社して、その日の自分の行動計画を所長に伝えます。特に単独のご利用者様については「ここみてきた方がいいよ」「ここ気をつけてみて」などのアドバイスをもらっています。訪問と訪問の間で、電子カルテに記録をしています。

お宅に戻って確認することはできないので、訪問が終わったら家の中か、玄関先で今日のご利用者様の状況を電話で所長に報告や連絡をしてから、次のお宅に向かいます。ステーションに戻ってからまとめて記録を書くこともあります。

ー 実際にどんな教育を受けているのですか。

最近は、疾患ごとに課題があって、学習をしています。課題の疾患をノートに自分なりにまとめて、プリセプター(新卒看護師のプリセプティーの教育・指導を行う担当の看護師)、所長、教育担当の先輩方3人に見ていただき、確認して教えてもらいます。

入社した頃は先輩との同行訪問が主なので、先輩と1回1回の訪問ごとに、一対一で振り返りをして、その日のご利用者さまへの看護実践である、看護技術の手技、態度、コミュニケーションなどについてフィードバックをもらったり、アセスメントの視点を教えてもらっていました。

ー 小川さんには同時期に新卒で入社された新卒訪問看護師が他に1名いると伺っています。同期はどんな存在ですか。

入社してすぐの、やはり緊張していた頃から、なんでも相談したり話せる同期の存在は大きかったです。同期は私ともう1人の2人で、普段は別々のステーションで働いています。月に1〜2回それぞれのステーションにいく機会があります。同期と先輩と3人で同行訪問したこともあります。先輩に一緒に教えてもらったり、自分たちで勉強してきたことを同期同士で発表するなどしています。

ステーションが離れているので一緒に働くことは少ないですが、同期でよくご飯に行っています。

ー ケアプロの良さはどんなところですか。

カンファをしなくてもスタッフ同士のコミュニケーションがあり、気軽に相談できるところです。訪問ごとにも振り返りがあるんですけど、週に一回のペースで一週間の取り組みを一緒に振り返ることもあり、プログラムがしっかりしていると思います。教育担当やプリセプターの役割に限らず、全員の先輩が教えてくれて、みんなで自分の成長をみてくれる感じがありますね。より良くしていこう、みんなで支えようとする手厚い体制が新卒の私には特にありがたいです。

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◆手技ができるから良い看護師ではない。 ご利用者様の想いを汲み取り、どう看護できるのかが面白さで、訪問看護のすごさ

ー 実際に働いてみての感想を伺いたいです。例えば、学生時代の訪問看護のイメージとはギャップがありましたか。

新卒訪問看護師も単純に一人でご利用者様の判断をしないといけないと思っていたんですが、電話連絡でその場で先輩と確認が取れるので、思っていたより判断に関しては不安はなかったですね。フォローする体制作りがきちんとあることでその不安は減ると思いました。

ご利用者様には色々な方がいるので、望むことも叶えるためのアプローチが違うことも面白く、勉強になります。病院なら物品の環境は同じですが、在宅だとお宅によって環境も人も違って、新鮮で毎回全く違う感覚で楽しいです。その違いの中で看護をしていると、憧れの先輩の姿を見ます。自分にはこれだけの引き出しかないのに先輩にはこんなにあるんだと憧れます。

例えば、相手にするご利用者様によって、先輩看護師は態度をフランクにしたり、すごく丁寧に話したり、変化をつけているところがすごいと思います。手技ができるからいい看護師ではなく、ご利用者様の想いを汲み取り、どう看護できるのかが面白さで、訪問看護のすごさだと思います。新卒で訪問看護師になってからの方が、より訪問看護師をすごいと思いましたね。

ー 今、難しいと感じることはどんなことですか。

入職してすぐの頃は、オムツ交換や点滴などの手技で困っていました。でも回数をこなして練習すればいつかはできるようになると思っています。

でも、コミュニケーションに関してはどれだけ時間かけても上手くならないような気がしてきます。的確な質問をして、必要な情報を得て、フィジカルアセスメントしていくという、情報収集のためのコミュニケーションは難しく、そこからのフィジカルアセスメントをする力も答えがあるわけではなく、単純ではないので在宅に限ることではないですが難しいです。

ー 訪問看護師になって嬉しかったことはどんなことですか。

最初は社会人としても訪問看護師としても一年目で、不安が自分から出てて、ご利用者様やご家族も不安だったと思います。先輩との同行訪問だと色々なお宅に行きますが、単独訪問はメンバーが決まってくるので、同じ人のところに訪問するようになります。訪問回数を重ねていくと、お互いに初めましての時にあった緊張がなくなるんです。そして慣れてきた頃に「またきてね」とご利用者様が安心したような表情をされると、私に慣れていただいて、受け入れていただけた、と感じられるのが嬉しいです。体拭きとか、些細なことでも「すっきりしたわ」と嬉しそうな顔されるとすごく嬉しいですね。

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◆言葉になっていないご本人の希望をも汲み取って、そこに近づこうとする訪問看護師へ

ー 目標とする訪問看護師像はありますか。

すごいと思う先輩は、ご利用者様ご本人の言葉そのままの希望だけではなく、ご家族や言葉になっていない希望を汲み取って、そこに近づこうとしているように私には見えるんです。どれだけご利用者様の思いを突き詰めて考えられるかに憧れるし、すごいと思います。

それから、ご本人やご家族に対する直接的なケアだけではなく、いろいろな社会資源を利用して、新たなサービスをケアマネージャーだけではなく、看護師の視点でつなげたり見つけたりするのもすごいと思います。普段、ケアマネージャーさんとの連携はサービス担当者会議や電話や直接会って相談をしています。それに加えて、サービスを動かすだけの連絡ではなく、利用者が元気そうだったなどの話など、こまめに情報共有をするとちょっとしたことでも話していただけるようになり、ケアマネージャーさんともより良い関係になれると先輩を見ていて思います。

ー 最後に、学生さんなど訪問看護未経験の方へのメッセージをお願いします。

新卒の訪問看護師が増えない理由には、実習のタイミングや、新卒訪問看護師の受け入れ情報の少なさ、ステーションの少なさがあると思います。病院実習が全て終わってから、最後に在宅の実習がある学校だと、就職先が決まってから在宅の実習という人もいます。新卒でも訪問看護に挑戦できると、身近に言ってくれる人がいたらいいのに、と思います。今後、在宅を希望する学生が増えて欲しいし、体制も整って欲しいと思います。

訪問看護師をやってみたい、興味がちょっとでもある方は、ぜひステーションの見学とか現場を見ていただきたいと思います。より訪問看護にきたくなると思います。

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◆ケアプロさんでは見学者応募中!

インタビューさせて頂いたケアプロさんでは、訪問看護ステーション見学会を行っています。

新卒で訪問看護に挑戦したい方、また訪問看護未経験者など、ぜひお気軽に申し込んでみて下さいね。

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