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どうやって利用者を獲得するのだろう?どうやって営業をするのだろう?いまよりもっといい方法は?訪問看護ステーションの管理者をしていれば悩みはつきませんよね。

  • 現在の利用者を分析
  • "こうした利用者を増やしたい"という目標を掲げる
  • "そういう利用者を紹介してくれる場所"に営業をかける

簡単に言うと上記3ステップを踏むだけなのですが、これだけ言われてもどう行動に移せばよいかなかなかわからないと思います。

そこで今回は、短期間に規模を拡大した訪問看護ステーションの管理者に「シークレットインタビュー」をしました。「本音を聞きたいです!」とお願いしたら、匿名を条件にぶっちゃけていただけました。

◆お客さんは介護施設にいる

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病院の看護部長にまで上り詰めた今橋智子さん(仮名、56歳)は2014年に、病院を退職して株式会社を立ち上げて、訪問看護ステーションを開設しました。自分、正社員看護師1名、パート准看護師1名の計3名でのスタートでした。

それから2年が経過した2016年には、看護スタッフは今橋さんを含めて正社員4名、パート事務員1名、そして翌年には理学療法士の採用が決まっています。

介護保険制度がスタートしたのは2000年ですので、今橋さんたちは後発組といえます。その不利な状況をひっくり返してのこの成長ぶりです、地域の医療界、介護界では驚かれています。

今橋さんに成長の秘訣を尋ねると、恥ずかしそうに、しかしきっぱりと「営業です」と答えました。

Q:元病院幹部職員が、自社のためとはいえ営業に回るのは抵抗がなかったですか?

A:いえいえ、なりふりかまっていられませんよ。それに看護部長時代も医師会やら大学やらに出掛けていましたから「お客さん(患者のこと)を回してください!」って言うのは平気ですよ。

Q:ずばり、営業が苦手な訪問看護ステーション管理者は、どこから回ったらいいでしょうか?

A:介護施設です。

Q:なぜでしょうか。

A:訪問看護ステーションは、医療と介護という2つの国の制度に所属していますが、メインは介護です。また、私たちのお客様である患者さんは、自宅と介護施設を行ったり来たりします。

◆まずはケアマネと仲良くなろう

 

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訪問看護ステーション管理者が「訪問看護の仕事は、医師が訪問看護指示書を書くところから始まる」と考えてしまうと、営業先を間違ってしまいます。法律上でも実務上でも、訪問看護指示書からスタートすることで間違いないのですが、医師や患者が訪問看護ステーションを選択するときに大きな影響力を持つのが、ケアマネなのです。

優秀なケアマネは、訪問看護ステーションを使い分けます。あるケアマネのある利用者がまだデイサービスに行けるくらい元気なときは、高度な看護技術や看取りは不要ですので、元気で明るい若い看護師がいる訪問看護ステーションを利用者にすすめます。

利用者の容体が悪化してきて、家族が「最期は病院ではなく自宅で見送りたい」と希望すると、利用者の担当ケアマネは、医療機関との強いパイプを持ち、看取りもスムーズに行えるスキルが高い訪問看護ステーションを利用者にすすめます。

これが「介護の司令塔はケアマネ」と呼ばれるゆえんです。ケアマネに気に入ってもらえるか否かは、訪問看護ステーション管理者の営業力にかかっています。

具体的な営業先ですが、まずは地域包括支援センターをこまめに回りましょう。ここは地域の「介護よろず相談所」の機能を持ち、ケアマネも常駐しています。地域包括支援センターは、20万人の市だと大体10カ所ほどあります。まずは、自分の訪問看護ステーションに近いセンターから回ることになりますが、それでも1年に1回は、すべてのセンターを訪れてあいさつしてください。

というのも、ケアマネを含む介護の人は「転職を繰り返す」という特性があるからです。遠くの地域包括支援センターのケアマネが、近所の介護施設の施設ケアマネに転職するケースは珍しくありません。

また、「ケアマネの世界は狭い」ということも覚えておいてください。ケアマネたちは、事業所が異なっても頻繁に情報交換を行っています。良い評判も悪い評判も、すぐにケアマネ界に広まります。

◆施設ケアマネは「老健のケアマネ」に絞ろう

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ケアマネといえば一般的には在宅患者の介護を支援し、域包括支援センターにいるケアマネも、在宅患者を担当します。一方で、介護施設に常駐するケアマネもいて、こちらは在宅と区別する意味で「施設ケアマネ」と呼ばれています。

訪問看護ステーション管理者は、営業戦略を練るときに、在宅ケアマネと施設ケアマネを分けて考える必要があります。

施設ケアマネのうち、特別養護老人ホーム(特養)の施設ケアマネへの営業は、後回しでOKです。なぜなら、特養に入った介護高齢者は、そのまま特養の中でお看取りになることが多いからです。

ですので、訪問看護ステーション管理者が営業に出向くべき施設は、介護老人保健施設、いわゆる老健です。

老健の施設ケアマネには大きく分けて2つの仕事があり、1つめは老健に入居させる仕事、2つめは老健から自宅に戻す仕事です。老健は「病院と自宅の中間施設」なので、老健入居後3~6カ月以内に自宅に戻す必要があるのです。自宅に戻るときに健康上の不安が残る利用者は、訪問看護を使うことになります。ここが営業ポイントとなります。

つまり、訪問看護ステーション管理者が、老健の施設ケアマネに気に入ってもらえると、自宅復帰直後の患者を紹介してもらえるのです。

では、何をしたら老健の施設ケアマネに気に入ってもらえるのでしょうか。それは、ギブ&テイクです。これは訪問看護に限らず、すべてのビジネスに共通した「営業の鉄則」といえます。

訪問看護ステーション管理者が、老健から出る患者を紹介してもらいたいと考えるのであれば、老健に入居する患者を老健のケアマネに紹介すればよいのです。老健のケアマネは常に「施設を満床にしたい」という気持ちを持っていますので、訪問看護ステーション管理者は、老健のケアマネに空室状況を聞き、空室が増えたら患者を紹介できるように努めましょう。

例えば、大規模病院で退院を控えた患者がいて、訪問看護ステーション管理者がその情報をキャッチしたら、病院の退院調整担当の看護師に、お目当ての老健をすすめるのです。それでその患者がその老健に入居できたら、次に老健を出るときに、訪問看護ステーションを利用してもらえます。

このように訪問看護の営業では、「病院→老健→自宅→自分のところの訪問看護ステーションの利用」といった具合に、1本の線を描くように広い視野をもって臨むことが重要です。

◆お看取りをしてくれる医者は何を一番喜ぶか?

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今橋さんが、施設ケアマネの次に重視している営業先は、お看取りをしてくれる診療所の医師です。訪問看護の仕事は、医師の訪問看護指示書がスタートになるわけですから、今橋さんたち管理者にとっては「発注者」となります。診療所は公的機関ではないので、今橋さんは自分のところの利用者の主治医3名に、毎年のお中元、お歳暮、年賀状の「3点セット」を贈ることを欠かしません。お中元やお歳暮といっても、11500円以下と決めています。

この3名の医師はいずれも自分の診療所を持っています。彼らは今橋さんの訪問看護ステーションの在宅患者が亡くなりそうになると、お看取りケアのカンファレンスを開いてくれます。この3名の医師にはすでに計20人以上の利用者のお看取りをしてもらいました。

贈り物が1500円以下なのは、「高級品では医者は動かない」ということを今橋さんが知っているからです。「医師に効果的なのは、継続」だそうです。必ずその時期になったらご挨拶することが、医師の心を動かすのだそうです。

今橋さんの訪問看護ステーションの利用者の中には、ほかの医師が主治医に付いている人もいますが、この3名の医師以外には「3点セット」を贈ってはいません。それは、この3医師以外の医師は、休日と早朝のお看取りをしてくれないからです。

今橋さんが「3点セット」を贈っている3医師は、午後10時から翌朝6時以外は、365日お看取りしてくれます。

在宅患者が夜中に亡くなった場合、今橋さんたち訪問看護スタッフがまず駆けつけて、当座の処置を行います。そして訪問看護スタッフが主治医に電話するのは、午前5時半以降と決めています。

今橋さんと3医師は「夜中に亡くなっても医師には午前5時半まで連絡しない」「医師は365日いつでも午前6時には死亡患者宅に出向く」というルールを取り交わしているのです。

今橋さんの営業は、これで終わりません。なんと、飲み会をセッティングするのです。出席者は3医師と、今橋さんの訪問看護ステーションのスタッフ、そして付き合いのある外部の看護師や介護職員です。

飲み会の参加費は、3医師と今橋さんは1万円、それ以外のスタッフは3千円です。そうなんです、営業といっても「ご接待」はしません。接待どころか、「医者はおカネ持ちだから多く出させている」(今橋さん)のです。

今橋さんは「医者への営業はおカネをかければいいというものではありません。丁寧なお看取りをしてくれる医者は『地域貢献をしたい』と考えているので、地域との接点を作ってあげることがなによりの贈り物になるのです」と教えてくれました。

◆営業のために外に出ることができる組織作りを

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訪問看護ステーションは現場の介護職員の評判を得ることも重要です。しかし管理者がすべての介護施設を回るわけにもいきませんから「集中と選択」が必要になります。おそらくみなさんの地域には、看護職と介護職の有志が集まった勉強会グループがあると思います。これに参加すると、効率よく介護職に「顔を売る」ことができます。

これは「将来を見据えた営業」といえるでしょう。

というのも、こうした勉強会に参加する介護職は意識が高く「介護界の次代のリーダー」といえます。つまり3年後にここで出会った介護職たちが、在宅の重症患者の介護や、お看取りを指揮している可能性があるのです。そんなときに「頼りになる訪問看護ステーション管理者」の顔が思い浮かんだら、「受注」につながります。 

さて、以上みてきたように、管理者はいつもどこかに営業をかけることが望ましいでしょう。しかしそんな時間が作れるのでしょうか、今橋さんに尋ねてみました。

「よく言うじゃないですか『時間はあるものじゃない、つくるものだ』って。私は、うちの副所長を、私と同じことができるように鍛え上げました。ときには喧嘩もしましたが、ついてきてくれました。なので、実際にうちの訪問看護ステーションを回しているのは副所長なんです。もちろん副所長には、私の役員報酬とほぼ同額の給料を出しています。

ただ私も営業ばかりやっていては、スタッフにも、副所長にも信頼されなくなります。私は夜中に亡くなったときの駆けつけ要員になっています。電話当番はスタッフたちに任せていますが、夜中に利用者さんが亡くなった知らせを受けたら、電話当番は私を叩き起こしていいのです。実際、これまでに発生した夜中のお看取りで、私が行けなかったのは2回だけです。

これは私が自分に課したルールで、電話当番が『私が行ってもいいですよ』と言ってくれても、私は『夜中は私がやるから、日中はよろしく』と言って患者宅に出かけていきます。

スタッフが嫌がる仕事を私が引き受ける代わりに、スタッフには基本的な仕事をしっかり覚えてもらいます。そうして私が営業に出ることができるようになれば、売り上げ増もスタッフのスキルアップも同時に達成できるのです」

なるほど、とうなずくしかありません。

◆おわりに

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いかがでしたでしょうか。「ちょっと露骨すぎる」と嫌悪感を抱いた管理者さんもいたのではないでしょうか。ただ今橋さんはこう強調しました。

「訪問看護ステーションの営業とは、おカネ儲けの営業とはまったく異なります。私たちは医療人ですから、おカネは最終目的ではありません。しかし質の高いスタッフを集めるには、おカネが必要なんです。私はいつも『これは患者さんのQOLを高めるための営業』と自分に言い聞かせてから、営業スマイルを作りますよ」

安定した経営なくして、安定した訪問看護なし、ということだと思います。

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