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2016年に実施された診療報酬改定では、訪問看護に関わるものは6項目あり、この記事ではそのうち「複数の実施主体による訪問看護の組合せの整理」について解説します。

ところで、あらためて「厚生労働省ワードって難しい!」と感じませんか? そこで「複数の実施主体による訪問看護の組合せの整理」を思いっ切り噛み砕いて説明すると、「特に症状が重い患者に訪問看護を提供した場合、訪問看護ステーションにも医療機関にも報酬を出すようにしよう」となります。

これでもまだ難しいと思いますので、基本用語の解説を加えながら、詳しくみていきましょう。

◆「原則」は簡単! 「ダブルで支払われることはない」ということです

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厚生労働省ワードが難解になるのは、「原則」よりも「例外」の方が多いからです。そこで、まずは簡単な原則から押さえておけば、あとは例外をこつこつ覚えればいいだけ、となります。

「訪問看護ステーションが訪問看護療養費をもらった月は、訪問看護指示書を出した医師が所属する医療機関は、在宅患者訪問看護・指導料をもらえない」

原則はこれだけです。ある患者に訪問看護が提供され、その仕事の対価が、訪問看護ステーションにも医療機関にも支払われたら「ダブルの支払い」となってしまいますので、訪問看護療養費しか出さないことにしているのです。訪問看護ステーションが報酬(訪問看護療養費)をもらったら、医療機関は報酬(在宅患者訪問看護・指導料)を遠慮してください、ということです。実際に汗を流して仕事をする訪問看護の方を優先させている、ということでもあります。

この原則は、2016年の改定後も変わりありません。

◆末期がん患者へのケアでは「ダブルの支払い」を認めていた

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しかし「例外」として、「ダブル支払い」が行われるときがあります。それは「厚生労働大臣が定める疾病等」の患者の場合です。この場合は、訪問看護ステーションは訪問看護療養費をもらえ、訪問看護指示書を出した医師が所属する医療機関は在宅患者訪問看護・指導料をもらうことができるのです。

これはつまり、難しい病気の在宅患者への訪問看護指導は高い医療知識が必要となるので、それには報酬を支払いましょう、ということです。

ここまでは、2016年度改定の前後で変わりありません。次に2016年改定で新たに加わった条件についてみてみます。 

ちなみに「厚生労働大臣が定める疾病等」とは、末期の悪性腫瘍や多発性硬化症の患者や、気管カニューレや留置カテーテルを使用している患者のことで、「別表第7、8の患者」といいます。「別表第7、8の患者」については、長くなるので文末の「資料」に掲載しました。

◆「週4日以上」「退院1カ月以内」「専門看護師と共同」の場合も例外扱いに

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今回の改定では、「厚生労働大臣が定める疾病等」の患者以外でも、「報酬のダブル支払い」が可能になりました。それは、

・急性憎悪などによって一時的に週4日以上の訪問看護・指導が必要になった患者

・訪問看護指示書を出した医師が所属する医療機関を退院してから1カ月以内の患者

・緩和ケアや褥瘡ケアなどの専門性の高い看護師が共同して訪問看護を提供している患者

となります。

これらに共通しているのは「特に重症な患者」ということになります。

◆ここまで分かれば専門用語も恐くない!

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さて、ここまで読んだ方は、もう「厚生労働省ワード」が恐くないと思います。そこで、「複数の実施主体による訪問看護の組合せの整理」について、「原文」を記します。驚くほど頭に入ってくると思いますよ。

  • 在宅患者訪問看護・指導料(1日につき)

保険医療機関が、在宅で療養を行っている患者であって通院が困難なものに対して、診療に基づく訪問看護計画により、保健師、助産師又は看護師若しくは准看護師を訪問させて看護又は療養上必要な指導を行った場合に、当該患者1人について日単位で算定する。

1 保健師、助産師又は看護師による場合

) 週3日目まで 580

) 週4日目以降 680

 

2 准看護師による場合

) 週3日目まで 530

) 週4日目以降 630

 

保険医療機関と特別な関係にある訪問看護ステーション又は訪問看護指示書の交付関係にある訪問看護ステーション以外であっても、訪問看護ステーションにおいて訪問看護療養費を算定した月については、末期の悪性腫瘍や神経難病等の利用者等の場合を除いて在宅患者訪問看護・指導料及び精神科訪問看護・指導料を算定できないこととする。

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◆おわりに

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訪問看護ステーションの管理者は、「厚生労働書ワード」に強くなった方がいいでしょう。というのも、診療報酬や介護報酬の改定は、実際に改定が行われる1年くらい前には、マスコミから改定に関する情報が漏れてくるからです。

管理者はこうした情報をすばやくキャッチして、「うちの訪問看護ステーションの将来像」を描かなければなりません。具体的には、「報酬が高くなる仕事を増やすのかどうか」「報酬が減るサービスを続けるのかどうか」という選択をしなければならないのです。

報酬については事務員任せの管理職がいましたら、少しずつでいいので報酬に関する知識を身に付けた方がよいでしょう。

 

◆資料

  • 特掲診療料の施設基準等別表第7号に掲げる疾病等者

1.末期の悪性腫瘍

2.多発性硬化症

3.重症筋無力症

4.スモン

5.筋萎縮性側索硬化症

6.脊髄小脳変性症

7.ハンチントン病

8.進行性筋ジストロフィー症

9.パーキンソン病関連疾患

・進行性核上性麻痺

・大脳皮質基底核変性症

・パーキンソン病(ホーエン・ヤールの重症度分類がステージ3以上であって、生活機能障害度がII度又はIII度のものに限る)

10.多系統萎縮症

・線条体黒質変性症

・オリーブ矯小脳萎縮症

・シャイ・ドレーガー症候群

11.プリオン病

12.亜急性硬化性全脳炎

13.ライソゾーム病

14.副腎白質ジストロフィー

15.脊髄性筋萎縮症

16.球脊髄性筋萎縮症

17.慢性炎症性脱髄性多発神経炎

18.後天性免疫不全症候群

19.頸髄損傷または人工呼吸器を使用している状態及び急性増悪期の場合

 

  • 特掲診療料の施設基準等別表第8の各号に掲げる者

1.在宅悪性腫瘍患者指導管理若しくは在宅気管切開患者指導管理を受けている状態にある者又は気管カニューレ若しくは留置カテーテルを使用している状態にある者 

2.在宅自己腹膜灌流指導管理、在宅血液透析指導管理、在宅酸素療法指導管理、在宅中心静脈栄養法指導管理、在宅成分栄養経管栄養法指導管理、在宅自己導尿指導管理、在宅人工呼吸指導管理、在宅持続陽圧呼吸療法指導管理、在宅自己疼痛管理指導管理又は在宅肺高血圧症患者指導管理を受けている状態にある者 

3.人工肛門又は人工膀胱を設置している状態にある者

4.真皮を越える褥瘡の状態にある者又は在宅患者訪問点滴注射管理指導料を算定している者

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